こんにちは〜フランス・パリ郊外在住のあおいそらです。
今、フランスはデモで危ないから行くべきじゃないなんて、見てもないのに言いふらしている人、ちょっとひどくありません?
・・・いきなり、怒り心頭ですいません。
フランスでも週末はニュース番組を見ていたら、おそらく8割がたが黄色いベスト運動と名付けられたフランス国内のデモのニュース。
暴力的なシーンがたくさん報道されて、心配なのはこれから旅行にこようと考えていらっしゃるみなさんですよね。
旅行は中止キャンセルするべきか?
わたしもあんな戦争のような映像を海外から見たらきっとそう思うと思いますが・・・中止キャンセルはもったいないです。なぜならそんな必要は今全くないことは見ればわかるから!
それではなぜ今、フランスでデモがおきていても旅行は中止キャンセルする必要がないのか?毎週渦中のデモ現場に職場があるあおいそらが写真付きでシャンゼリゼ通りの現状をお見せしながらその理由と、渡航時の現実的な注意点をお伝えします。
平日はデモの跡を探すほうが難しい。抗議行動は土日だけ
=4月3日追記=
この記事では抗議活動が始まったころ、抗議者と警察の衝突が激しかったころの2018年12月ごろのデモとそのころのパリの様子をご報告しています。
破壊活動が目立った18回目の抗議活動のあとのパリ・シャンゼリゼ通りをごらんになりたい方はこちらの記事をご覧ください!
今週末でアクトV、5回目の抗議行動となったフランスの黄色いベスト運動。 今回はトゥールーズなどの地方の破壊行動についての報道が多かったですが、パリでもデモ参加者が練り歩く姿が映し出されており・・・ 今回もまた、わたしの通勤路が映し出されていました。 サンラザール駅から、百貨店の本店が立ち並ぶオスマン通り、オペラ地区界隈。毎回、抗議行動が繰り広げられる場所です。 職場の休日の出入り口も小さな通りの出入り口のみになりました。 週末、戦争ではないかと思えるほどの凄まじい映像の報道を見て、月曜日になるたびに、さぞかしひどい破壊の跡を見るんだろうと思って心配するのですが、言われなければそこがデモのあった場所とは思えないほど、百貨店の前も、会社の前の大通りも毎回いつもどおりでした。 そして毎週月曜日から金曜日まで毎日通勤してますが、何もデモを感じさせるような出来事はこれまでありませんでした。 そもそも住人のわたしたちは、危ないので会社に来なくていいなんて、言われることもなく毎日会社に行っているので大丈夫なんですよ〜!笑 もちろん破壊されてしまった店や公共物、燃やされた車はあります。 この一連の抗議行動を通じ、フランスの10月〜12月のGDPは0,1%下がるとルメール経済相は予測を発表、フランス中央銀行は10月〜12月の経済成長率を0,4%から0,2%に下方修正しているほどです。 12月24日のヴィトン本店のウィンドウはこのように柵で覆われていて、夜になったらウィンドウが割れている箇所が見えました。 ただ、以前もお伝えしたとおり、この国は、大晦日というだけで、車を燃やす破壊者がいる国なのです。 今回の問題はデモ参加者側にきちんとした統率者がおらず(リーダー格は最近逮捕)、混乱状態に加えて警備がまわらずに、普段起きないようなところでドサクサに紛れて大晦日に行われるような破壊行動が行われてしまっていることです。 クリスマスイブのシャンゼリゼ通りには黄色いベストの皆さんが実はいらっしゃいました! …が、なんとサンタさんでした笑 普通の黄色いベストのみなさんは良識のある方達なんです。 こういう姿を目にすると、報道だけではわからないフランスの抗議運動の別の一面を実感します。 今のところデモ活動は土日のみ。そしてその日のうちにすごい勢いで復旧作業にあたっているみなさんがいるわけです。 催涙ガスを使っての警察と抗議者の抗争が繰り広げられたシャンゼリゼ通りの脇道は、翌日には市の貸し出し自転車も普通にありましたし。 いつも通りのシャンゼリゼ通りでした。 だから普段は全く危険な状況ではありません。 逆に注意したいのは、デモが行われる週末の土日の行動計画。メトロの駅が閉鎖されたりすることもありますし、直前に、在仏大使館のサイトで情報を把握して、どこに行くか決めておきたいですね。 あらかじめツアーで来ることになっているみなさんの場合は、旅行会社がリスクを把握して、影響を受けそうな場合は日にちや時間の調整を行っているそうです。 旅行会社はこれまでもテロなどの状況に応じて冷静に対応しているプロの皆さんです。 せっかく申し込んだ旅行、危ないからキャンセルすると決めてしまう前に、旅行日程への影響について旅行会社に問い合わせてみてはいかがでしょうか。 28万人を超えていたデモ参加者も22日、23日の週末には政府統計で38600人に減少。 テレビでも、「いくら今の政治に反対を示すためとはいえ、破壊するというやり方は間違っていると思う」という意見をはっきり述べている若い人たちのインタビューも繰り返し放送されています。 デモ活動自体が縮小してきたし、フランスにとっては重要な経済活動時期であるクリスマスの直前であることもあって、普段土日オープンの施設はほとんどオープンとなっています。 また警備の体制も整い、混乱する場面もずいぶん少なくなっているとの報道です。 ただしデモの単位が小さくなっていることから、今回は通行止めになっていない場所もかなり多かったように見えましたが、バイクに乗ろうとしていた3人の警察官に対して、植木やキックボードを投げつけて、もはや殺人未遂とも言えるショッキングな映像もありました。 その現場となった通りも翌日はこんな感じ。 至って普通の状況です。 しかしデモがまだ続くとすると、逆にこれから危ないのは、デモ真っ最中の場所に近付こうとすれば近づけてしまうことが危険だと思いますね。 もしかしたらスマホで撮りたいと思う人もいるかも知れませんが、被害にあった場合、守ってもらえなかったことより、そこに近づいた責任のほうが問われる国です。 デモの行進だけであっても、近づくのは絶対にやめましょう。 現時点での最新情報で、けが人は約2900人(そのうち1000人が警備側)、死者は残念ながら10人を超えてしまいました。 ただし、普通に街を観光している人が被害にあったケースはありません。 ケガを負った人はデモの衝突によるものですが、実は亡くなった方の中にはデモ参加者ではない一般の方がいます。 それはデモ参加者により車を停められた際の衝突で亡くなった方々です。車にひかれてしまったり、また大勢の黄色いベストの人に囲まれて焦って車でデモ参加者をひいてしまった、という悲しいケースもあります。 デモの規模が縮小されているので、絶対数は減っていると思われますが、土日にレンタカーに乗ることを考えている場合は、料金所や大きな交差点で思いがけず停められることもあるかもしれません。 そのときは焦らずにあきらめてのんびり構えること、他の車にひかれないためにも、絶対に車から外に出ないことです。 ひとつだけ、気になったケースが亡くなった80歳の女性のケース。 外の状況の危険を察知して雨戸を閉めようとしたときに(窓を開けて閉めるタイプの雨戸だったと思われます)、顔に催涙ガスの手榴弾があたり、 手術中に心停止で亡くなったそうです。 生命に影響がないために今回使われているフラッシュボールや催涙ガスですが、からだの弱い方には例外の事態も考えられます。テレビでは健康への影響を問題視している人のインタビューもあったほどです。 映像だけ見ているとどこもかしこも戦争状態に見えますが、そんなことはないです。フランスに住んでいるわたしたちも普通に生活していて、郊外では週末の買い出しに車ででかけています。 絶対にデモ現場に近づかずに観光を楽しむことは可能です。心配なときはホテルや旅行会社のアドバイスをもらいましょう。 それではまとめます。 先週かその前の週末、テレビで観光への影響を問われた観光業界の方が、こういう状況になると、アメリカ人、日本人、中国人の観光客の数に大きく影響が出てしまう、と心配する声を寄せていました。 先日マクロン大統領は一連の抗議運動に対する対応策を発表しましたが、 国民の怒りはおさまる状況ではありません。 観光客のみなさんが不安になって旅行を取りやめてしまうのは残念ですし、それによりさらに悪影響を受けるフランス経済はかなり心配です。 もちろん燃料税値上げとその影響、その他の政策については、国民全体で検討や議論を続けるべきとしても、まずは早くデモによる混乱の事態がおさまることを祈るばかりですが、フランスの魅力は変わらずここにありますので、ぜひ来ていただきたいなと思います!
デモ参加者は約28万人から約3万8千人に縮小している
普通の観光客に被害はない
まとめ
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