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反マクロンデモはなぜ収まらない?フランス人の性格の特徴から考える

フランス生活お役立ち

こんにちは〜パリ郊外在住のあおいそらです。

連日のフランスの燃料税増税に反対する国民によるデモgilets jaunesジレ・ジョーヌが話題となっています。

2回の大きな(暴力にもつながってしまった)デモの実施にようやく腰をあげる形で、12月10日、マクロン大統領は新しい施策を発表。

ところが全くデモ参加者の怒りは収まっていません。

わたしはただなんとなく、「大統領が辞職するまで黄色いベストの人たちは納得いかないんじゃないの?」と思っていたのですが、

今日、空港に行くタクシーの運転手さんは、国民は大統領の辞職を単純に求めているのではない、フランス人の性格の特徴を考えてみるべきだというのです…

今日はなぜ反マクロンデモは収まらないのか、デモは収集するカギとなるフランス人の特徴とはどういうものなのか、わたしが普段フランスでの生活を通して感じていることもふまえて、まとめていきます。

 

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反マクロンデモを受けて、マクロン大統領が発表したこと

Gilets jaunesジレ・ジョーヌと呼ばれる「黄色いベスト」のデモを受けて、12月10日の夜、マクロン大統領は国民に向けて対策を発表しました。

内容は

  • 最低賃金(SMIC)の底上げ 。もともと予定されていた1,8%の値上げとは別に、2019年1月から雇用者の負担なしで100ユーロ底上げする。
  • 年末のボーナス支給に関する雇用者負担の課税、社会保障費の廃止
  • 2000ユーロ/月未満の年金受給者の所得税の廃止。現状1200ユーロ/月以上の年金受給者には所得税が課せられている。
  • 2019年から支払われた残業に対する課税、社会保障費負担の免除
  • フランス企業リーダーのフランスでの納税義務
  • フランスで利益を出している大企業のフランスでの納税義務

このマクロン大統領の演説内容を知って、100ユーロ上がったら、毎月食べるのに精一杯の人たちは楽になるのか?

ありがたいことに国の最低賃金よりは恵まれた収入がありながらも、子育てと家のローンで必死な我ら中流家庭の税負担は増えるばかりで、いつもなにも恩恵が受けられないんだ!

というのが、わたしの感想だったわけですが、テレビのインタビューを見ていると、「100ユーロなんて焼け石に水」「企業負担なしの100ユーロアップって誰が負担するんだ?」という社会層別の不満の声が多数。

しまいには、黄色いベストを着て、「マクロン辞職、マクロン辞職」と叫ぶ人たちの姿が映されました。

何を言ってももう国民は納得しないんじゃないかと思いました。

 

フランス人の性格の特徴を知れば、フランスデモを抑えられるかもしれない

今日乗ったタクシーの運転手さんに、フランスのデモの影響は出ているか、聞いてみたところ、

例年に比べて観光客がずっと少ないとのこと。この時期はクリスマスに向け、かきいれ時のはずなんですよね…

先週のデモのあった当日は、朝4時ごろから働いていたけれど、8時にはたくさんデモ参加者がパリに集まってきたから、その日はもう働くのをやめてしまったと。

「デモはまだ続きそうだねえ。昨日の演説でも、国民は納得いってないからさ。」と運転手さん。

「でも今回のデモは全然統制がとれてなくてむちゃくちゃなんだよ。」

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わたしが「大統領辞任するまで終わらないんじゃないかしら。」と言ったら、運転手さんは、

「彼はフランス人の性格をもっと考えるべきなんだよね…」

どういうことか聞いてみると、

「マクロンは相手の気持ちをわかろうとか、わかるよという共感を示していないからダメなんだよ」ということ。

「心から対応している、理解しようとしている」という思いがあれでは全く伝わってこない。

全然国民の前に出てこないし、国民がデモしてるっていうのに、呑気にアルゼンチン行っちゃって、ということでした。

外交も国にとっては大事なことであり、デモが起きたからといってキャンセルしなくては国のことを考えていないことになるわけではないと思うけど、海外なんか考えている場合じゃないだろう!というのがデモ参加者の思いなんですね。

フランス人と話をしていると「わたしはね(moiモア)」という枕詞がよく出てきますが、フランス人は自分はこうだ、自分はこう思う、という考えをしっかり主張します。

フランスに来た頃、役所の対応やお店の対応が悪いとよくイライラしていましたが、イライラして応じても全然うまくいかない。

日本人としてはそれを仕事にする人が、機嫌が悪くて対応が悪いなど、考えられないんですよね。

でも、そういう時こそ、冷静に自分が求めている相手の対応は何かを考えて、それを得られるにはどうしたらいいかを考えて、相手には逆に感じをよくしたり、どうしたらいい?という態度で接したら、わかってもらえて事態が好転することがあります。

運転手さんは「そうだよ、たとえ相手が間違っていると思ったってだよ、フランスでは相手の視線にたって、心から対応しているというのを伝えなきゃダメなんだよ」

なるほどなあと思いました。

淡々と具体的に施策を実施していくことで、国の経済力を回復しようとしているマクロン大統領ですが、フランスの大統領で国をまとめていくためには、自分が生まれ育って、今暮らしている環境と違うところで生活している人たちの気持ちに寄り添う態度を示していくことも必要なのかもしれません。

 

さいごに

子供の学校の保護者会に出ても、自分の子供にしか関係ないことを質問し続ける親は少なくないです。

フランス人は性格として組織全体がどうかということよりもおもいおもいに自分を主張する、とただぼんやり思っていたけれど、

「なるほどそうだね、わかるよ…でもね!」

と言って、フランス人の性格の特徴を抑えながらまた自分も主張していくことが必要なんだと改めて思った機会でした。

燃料税増税は、パリ協定の取り決めもあり、フランスが積極的に推し進めようとしている地球の環境問題への取り組みとして必要だと政府が考えた対策。

パリの郊外の高台からパリをみると、晴れた日なのにどんよりと曇っている…日によってはパリの空気が問題となっている北京の大気汚染並みに汚れている日もあって、多くのパリの子供たちが喘息を患ってもいます。なんとかしなくてはいけないのは確かなのです。

国のとって必要な対策は進めつつも、真面目に働きながらも食べるのが精一杯の人たちも納得するにはどうしたらいいのか?

ともかくデモが繰り返されれば、フランスの商業、観光に大打撃なのは間違いないので、早く事態が収拾することを祈るばかりです。

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