フランス語の冠詞がわからない!一通りフランス語を勉強した方でもそう思う人は少なくないはず。
正直フランスに何年住んでいても、間違って使うことは多々あります。日本語には冠詞がないので、フランス語の冠詞の使い分けるのは結構難しいんですよね。(言い訳だけど・・・)
そこでフランス語の冠詞のわかりやすい覚え方と、せっかくこれまで学校で習ってきた英語の冠詞とがっつり比較してフランス語の冠詞一覧をご紹介。そこからフランス語の冠詞の見分け方を説明していきますね。
フランス語の冠詞一覧と覚え方
冠詞とはそもそも「名詞の前につく言葉」なんですが、フランス語の名詞には男性名詞と女性名詞があります。
フランス語の冠詞は名詞の性別と切っても切れない関係にあるので、その冠詞がつく名詞が男性名詞なのか、女性名詞なのかをまず覚えておく必要があります。
そのうえで、ここで一気にフランス語の冠詞を英語の冠詞と一緒に並べてみると、この表になりますYO。
冠詞の種類 | 使い分け | おおよそ相当する英語の冠詞 | |
定冠詞 | le(男性名詞の単数)
la(女性名詞の単数) les(名詞の複数形) |
特定のものを
指す時 |
the |
---|---|---|---|
不定冠詞 | un(男性名詞の単数)
une(女性名詞の単数) des(名詞の複数形) |
不特定のものを
指す時 |
単数形ならaやan、複数形のときはつけない |
部分冠詞 | du(男性名詞)
de la(女性名詞) de l’(母音や無声のhで始まる名詞の前) |
不特定のもののうち、
物質名詞や抽象名詞を指す時 |
someもしくはつかない |
収縮冠詞 | au(à+le)
aux(à+les) du (de+le) des (de+les) |
前置詞àやde
+定冠詞 |
to the、of the |
まずはとりあえずスペルを思い浮かべながら冠詞を丸暗記してしまいましょう。
定冠詞は、ル・ラ・レ。(le, la, les)
不定冠詞は、アン・ユンヌ・デ。(un, une, des)
部分冠詞は、デュ、ドゥラ、ドゥルッ。(du, de la, de l’)
最後のドゥルッは無理があることを認めますが、ようは暗記できれば何でもよしということで。
それでは次に一つ一つの冠詞の使い分けについて、見ていくことにしましょう〜^^
フランス語の定冠詞
冠詞の種類 | 使い分け | おおよそ相当する英語の冠詞 | |
定冠詞 | le(男性名詞の単数)
la(女性名詞の単数) les(名詞の複数形) |
特定のものを
指す時 |
the |
---|
英語でtheを使うときにはこの定冠詞を使います。
男性名詞だったら、
le chien (the dog) 犬
女性名詞だったら、
la table (the table) テーブル
男性名詞でも女性名詞でも関係なく、複数形になると
les chiens (the dogs)
les tables (the tables)
となります。ここまではわかりやすいですね。
フランス語では定冠詞を使うのに、英語では使わない例
ただ、細かいですが、フランス語では定冠詞を使うのに、英語では使わない例もいくつかありますので、ご紹介しますYO。
① 名詞が称号や職業を表し、英語では冠詞をつけない時
le docteur Dupon (Doctor Dupon) デュポン博士
② 名詞が言語を表し、英語では冠詞をつけない時
Je parle le français. (I speak French.) わたしはフランス語を話します。
③ 「誰々の」という表現で英語では〜’sを使う時
Je connais la soeur de Tom. (I know Tom’s sister.) わたしはトムのお姉さん(妹)を知っています。
④ 名詞が身体の部分を表し、英語では所有形容詞を使う時
Elle s’est brossée les dents. (She brushed her teeth.) 彼女は歯を磨いた。
⑤ 名詞が大陸や山、川、国といった固有名詞で、英語では何もつけない時
la Seine (the Seine) セーヌ川
Le Japon me manque. (I miss Japan) わたしは日本が恋しい
⑥ 名詞が総称や一般事実を指していて、英語では冠詞をつけない、もしくは不定冠詞をつける時
L’été est chaud. (Summer is hot.) 夏は暑い。
おっと、ここでさっきわたしがルッとおぼえた«l’»が登場。(l’Europeでも出てきていたけど・・・)
名詞が母音か無声のhで始まる語の前の冠詞のleやlaは、l’になりますYO。
la été–> l’été
フランス語歴が長くなってきても、この例外たちがとっさに使い分けられないことが多いんです。でも実践では間違えても、フランス人に通じないということはないですから安心してくださいね。
フランス語の不定冠詞
冠詞の種類 | 使い分け | おおよそ相当する英語の冠詞 | |
不定冠詞 | un(男性名詞の単数)
une(女性名詞の単数) des(名詞の複数形) |
不特定のものを
指す時 |
単数形ならaやan、複数形のときはつけない |
---|
英語でaやanを使う(複数形では何もつかない)時にはこの不定冠詞を使います。
男性名詞だったら、
un livre (a book) 本
女性名詞だったら、
une école (a school) 学校
男性名詞でも女性名詞でも関係なく、複数形になると
des livres (books)
des écoles (schools)
となります。不定冠詞も英語と比較すると結構わかりやすいですよね。
(des écoles のときはsとéの間をリエゾンしてつなげて読むので、デゼコール、という発音になります。)
英語では不定冠詞を使うのに、フランス語では使わない例
英語では不定冠詞を使うのに、フランス語では使わない例は、
① 身分や職業を表す時
Il est professeur dans une école. (He is a teacher in a school.) 彼は学校の先生です。
…なのですが、身分や職業を表す名詞でも、もしC’est 〜, Ce sont 〜という文で表現する場合には、フランス語でも不定冠詞を使います。
C’est un professeur dans une école. (It is a teacher in a school.) それは学校の先生です。
Ce sont des professeurs dans des écoles. (They are teachers in schools.) 学校の先生たちです。
② 感嘆文
Quelle belle fleur! (What a beautiful flower!) なんてきれいな花なんでしょう!
不定冠詞はあんまり例外がなくて助かります…
フランス語の部分冠詞
冠詞の種類 | 使い分け | おおよそ相当する英語の冠詞 | |
部分冠詞 | du(男性名詞)
de la(女性名詞) de l’(母音や無声のhで始まる名詞の前) |
不特定のもののうち、
物質名詞や抽象名詞を指す時 |
some、もしくはつけない |
---|
英語ではたまにsomeがつく事があっても、ほとんど冠詞のつかない、数えられない抽象名詞や物質名詞の時にはこの部分冠詞を使います。
男性名詞だったら、
du pain (bread) パン
女性名詞だったら、
de la viande (meat) 肉
男性名詞でも女性名詞でも関係なく、母音や無声のhで始まる名詞の前では
de l’eau (water) 水
となります。この部分冠詞が英語とは比較しにくくて、ちょっとわたしたち日本人には考え方が難しいんですよね。
フランス語の収縮冠詞
冠詞の種類 | 使い分け | おおよそ相当する英語の冠詞 | |
収縮冠詞 | au(à+le)
aux(à+les) du (de+le) des (de+les) |
前置詞àやde
+定冠詞 |
to the、of the |
---|
これは新しい冠詞ではなくて、定冠詞と前置詞の組み合わせです。
その名詞に使う定冠詞がわかれば、随分楽に考えることができますYO!
Il est à le au café. (he is at the cafe.) 彼はそのカフェにいる。
Le professeur a parlé à les aux parents de les des élèves. (The teacher spoke to the parents of the students.) その先生は生徒たちの保護者に話した。
J’aime la couleur de le du chapeau. (I like the color of the hat.) わたしはその帽子の色が好きです。
ただしà+l’ やde la では何も変化しないので、要注意。
il est allé à l’école. (He went to the school.) 彼は学校に行った。
les fruits de la saison (the fruits of the season) 旬のフルーツ
ここまで、お疲れさまでした〜
まとめ
フランス語の冠詞の覚え方は、まず、
スペルを思い浮かべながら冠詞を男性、女性、複数の順で丸暗記。
- 定冠詞は、ル・ラ・レ。(le, la, les)
- 不定冠詞は、アン・ユンヌ・デ。(un, une, des)
- 部分冠詞は、デュ、ドゥラ、ドゥルッ。(du, de la, de l’)
最後のドゥルッは許せないっていう方は覚えやすい方法を工夫してみてくださいね〜
そのあと、こちらの表を使って、英語の冠詞と比較しながらフランス語の冠詞の使い分けを覚えてしまいましょう。
え、だけど名詞の前に冠詞がつかない時ってあるよね?という方。この次、フランス語の冠詞がつかない時についてお話してみたいと思いますYO!
楽しんで勉強を続けていきましょう〜♪
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