海外旅行中の日本へのお土産、迷っちゃいますよね。
最近食品の持ち込みが厳しくなったと聞いたけど、魚の缶詰は正式に日本に持ち帰れるんだろうか、と疑問に思っていらっしゃる方もいると思います。
わたしがフランスで迎える日本からのお客様からも質問を受けたことがあった内容です。
そこで今回は、海外旅行のお土産として、魚製品を日本に持ち込む時の注意点や、日本の税関や動物検疫の具体的規制、キャビアの日本持ち込みの例外的な規制についてお伝えします。
日本に魚を持ち込みするときの注意点
2019年4月から厳しくなった日本の空港でのお土産の持ち込みのルール。
お土産だからといって、そのまま輸入できない食品を空港で申告せずに日本に持ち込もうとすると、悪気がなくても、罰金刑か、ひどいときは懲役刑もありえるとか!
ただルールをよく読んでみると、肉や乳製品関連の規則ばっかりが書かれていますよね。
魚製品のお土産はどうなの?ということで、日本に魚を持ち込む場合の注意点を詳しく調べてみました。
チェックポイントは、税関と動物検疫所と両方です。
日本の税関は魚を持ち込むときに問題なし?検疫は?
まず「海外旅行のお土産の範囲内で携帯品として持ち込まれる魚加工品に課税はあるかどうか」の観点から、日本の税関による規制を確認。
- 酒類→1本760ml程度のもの3本まで
- たばこ→詳細は税関のホームページを確認してください
- 香水→2オンス(約28ml)まで
- 購入した1万円以上の品物→現地での購入価格の合計額20万円まで
(参照:日本の税関公式ホームページ)
は免税なので、特に水産品、加工品に関する制限はありません。
次に、「日本に持ち込まれても安全か?」という観点から決まりをつくったり検査をする動物検疫所。
魚製品はお土産の範囲内で、動物検疫所の検疫対象ではありません。
(商業用の輸入には別途手続きが必要です。)
さらに魚卵については、個別に税関に問い合わせてみたところ、
海外旅行のお土産に持ち込まれる魚卵について
いくらなどの魚卵で、生きていないもので食用のものは対象外です。
しかし、稚魚のいるものや食用以外の用途で持ち込む場合は事前の許可が必要な場合があります。詳しくは以下のホームページも合わせて確認してください。
- 水産動物の検査について(動物検疫所ホームページ)
と回答いただきました。
ただし、このあと説明しますが、キャビアだけは例外なので、要注意です!
日本からヨーロッパに魚を持ち込むのは大丈夫?
参考までですが、日本からフランスを含むEUへの魚の持ち込みには次の規制があります。
個人消費を目的とした少量の水産物のEUの持ち込みについての制限
次の条件を満たす場合、水産物(生、乾燥、調理済、漬込、燻製の魚やエビ、ロブスターなどの甲殻類、ムール貝、カキなどの特定の貝類を含む)はEUへの持ち込み又は輸送が可能です。
- 切り身の生魚
- 一人当たり20キロまで、一匹の重量が20キロを超える場合は一匹まで
(フェロー諸島、アイスランド産の水産物にはこのルールは適用されない)
20kgとは、もはやお土産の量ではないような気もしますが・・・・。このくらいはお土産の量としてEUでは認められているということになります。
キャビアは日本に持ち込みできる?
先ほど、キャビアの日本への持ち込みは例外、とお話しましたよね。
これは動物検疫でもなく、税関でもなく、絶滅のおそれのある野生の動植物を守るために締結された「ワシントン条約」の観点からです。
チョウザメを原料とするキャビアの一人当たりの日本への持ち込みは125gまでと決められています。
詳しいことは経済産業省からのこちらの正式な案内説明を参考にされてくださいね。
まとめ
ということで、まとめると次のようになります。
- 魚製品を日本に持ち込むときは、お土産の範囲内で、動物検疫所の検疫対象ではない。
- 魚卵を日本に持ち込むときは、生きていないもので食用のものは動物検疫の対象ではない。
- 稚魚のいるものや食用以外のために持ち込むときは、動物検疫所の事前の許可が必要な場合がある。
- 魚製品の1つが1万円を超えなければ、海外からのお土産としては免税対象。
- キャビアは125gまでなら日本に持ち込める
ということで、温度管理さえきちんと行えれば、魚製品のお土産の日本への持ち込みは今のところ堂々としていいということになります。
もちろんいつ何時制度は変わるかわからないので・・・公私ともども日本からのお客様を迎えることの多いわたしは、制度の変更に気をつけて行きたいと思いますし、変更があれば、またお知らせしますね。
コメント