ウィルスの蔓延を防ぐための移動制限措置が取られるようになって、親が在宅ワークになると同時に、子どもたちも学校閉鎖になって、家族全員が一日中家の中にいるのが普通になっている今現在のフランス。
在宅勤務しながら子供の世話の大変さは、子供が小学生や中学生になっても同じ。いや、また別の悩みが発生するもんなんですね。
そこで今日は在宅勤務をしながら子供の世話をするときに、子供の年齢が小学校以上の親御さんの苦労としてフランスで話題になっているビデオをご紹介、さらに在宅勤務をしながら子供の勉強や面倒を見ているフランス人がどんな工夫をしているのか、についてご紹介したいと思います。
在宅勤務をしながら子供の世話をするのは大変
まだ言い聞かせることのできない年齢の子供の面倒をみながら、在宅勤務をするのは、フランスでもなかなか大変だと言われていることをご紹介しました。
それではある程度言って聞かせればわかる年齢の子供の場合は、在宅ワークをしているフランス人の人はどうしているのでしょうか。
自分が今どうしても仕事に集中する必要があるときは、割り切って漫画やタブレットをつかって、子供が集中している間に仕事に集中する、という方法をとっているフランス人も多いようです。
あとはフランス人の同僚で先輩ママと話してもよく言われるのは、子供に親がどんな状況であるかをきちんと説明することが大切、という点。
まだ小さいから、とか、子供が優先、と考えたり、頭ごなしに静かにするように叱るのではなく、今親が何をしているのかをきちんとその都度説明して、子供にわかってもらうようにすることが大切だといいます。
しかし、実際在宅勤務をしながら、小学生や中学生の子供の世話をするってそうかんたんなことじゃないんですよね…ほっとけばずっとテレビやゲームになってしまうし…
フランスでは学校閉鎖中、各学校のサイトに、教科ごとに課題が発表されたり、ZOOMをつかったオンライン授業が行われたり、比較的学校閉鎖と同時に各先生が迅速に動いたというイメージがあります。
ところが、侮るなかれ、ここはやはりフランス。
各教科の先生はみーんなやり方が違う!誰も連携をとっていない。
とある先生はYouTubeで答え合わせを送ってきたり(アクセス稼ぎかと悪口言いたくなる)、
とある先生はグーグルのアプリ、グーグルクラスメイトをつかって、SNS方式で課題を出したり、テストを告知してきたり。
先生の課題の指示が曖昧でわからないのはいつものこと、教科書のページ数が間違っていることもある。
中学校に入ったばかりのうちの息子くんはこの情報カオスについていけず、メッセージ未読王。
しばらくほっておいたら、何も手つかずになっていることに気がついて、結局毎日何をやるのか、親が管理しないとついていけないという状況に。
それにスケジュール管理だけでなく、時には勉強内容でわからないことを説明してあげなくてはいけない!
久しぶりにフランス語についてはフランス語の文法書をこっそり復習…改めて自分が勉強するはめに。
子供のことが気になってしまうし、手がかかるし、自分の仕事に全く集中できない。
これって自分だけなの?と思ったら、やっぱり笑い話として、全く同じような状況に陥っているフランスのママンの嘆きを扱ったYouTubeの動画が話題になりました。
子供と過ごすのが怖い!フランスで話題になった動画
いきなり迫力のある顔ですが、このお母さん、子供の目を避けて家のどこかに隠れているようです。
「学校の先生達みなさんに告ぎます、毎日本当にありがとうございます!
ごめんなさい、わたしは本当にわかってませんでした。
わたしはモンスターを作ってしまいました。ジェレミー、10歳。モンスターです。」
「平方根がわからない!」という息子の声に、
「わたしだってわからないわ・・・フランス語にしなさい、フランス語に!」
と叫ぶママン。ママンの嘆きは続きます。
「昨日はひどい夢を見ました。先生が笛の試験を送ってくるというひどい夢・・・」
「ママン、いつ休んでいいの?」ママンは恐怖でますます身をひそめます。
「先生たちはいつもどうしていらっしゃるのか。本当に英雄です!連絡帳に子供の注意点を書かれたり、自習時間にすると書かれておかしいと思っても、もうカッとならないようにします・・・」
「自分のやり方でやらせていただきますなんて言いません。困らせるような面談依頼をしません、先生方のこと本当によくわかります。」
その間も、叫ぶ子供の声が・・・「ママン、ぼく数学キライだよ−」
「…わたしだってキライよ」「もう息子が怖い・・・我慢できない」
「一つだけお願いがあります、宿題の量を少なくしてください、どっちにしろわたしがやることになるんです。この状況、納得いきません。平方根もピタゴラスの法則も覚えてません。本当に困ってます。我慢できない。」
「ママン、比例って何〜?」
ますます切羽詰まっていくようすのお母さん。「ほんと馬鹿にしてるわ」
「もうわたしには時間がありません、3学期が近づいていることなんてほんとどうでもいい、大したことないです、うちの子には別の人生があります。本当のところ弁護士や会計士にさせたかったんですけど・・・もう、でも気にしないでください。息子は大道芸人になります。曲芸は素晴らしいわ、美しい。人々は多様化しなくてはいけないわ。だからお願いします、宿題を少なくしてください。わたしが疲れ切ってしまいます。本物の悪夢です。英語なんてキライ、最悪よ!」
「それにしても30人もクラスにいて、どうやっているんですか?全然わかりません。」
「モンスターを作ってしまったああ」
咽び泣くお母さん。
「学校再開してください、問題ないです。みんなが中に閉じこもるなんて、もう・・・」
「ママン、かくれんぼしてるの?遊んでもいい?」
「だめよ!」
「ママン?」
「しーっ、もうじき来るわ。」
「見つけた!」とうとう息子に見つかってしまったお母さん。
「ノー−−−−−ン!お願いだからこの地獄から自由にして!」
「今度は隠れるのは僕の番ね〜」お母さんとは裏腹に、無邪気な息子さんの声で終わります。
日本人のイメージではフランスのお母さんたちは子供がいても、自分のライフスタイルを崩さないというステレオタイプがありますが、実際は全くそんな事はありません。
共働きの世帯がとても多いですが、仕事がどんなに忙しくても、子供の宿題のフォローや休日の面倒を見るのは当然だと思っている人のほうが多いと感じます。
もともとこの動画はフェイスブックで話題になっていたものですが、YouTubeの感想欄でも
「これ、まさにわたしだわ!わかる!」
という共感の声が多数です。わたしだけじゃなくてホッとして、最近どうしている?とフランス人に聞かれたときは、この動画を毎回シェアしていました。
在宅勤務と子供の世話の両立が難しい、子供と過ごすのが辛いと感じている在宅勤務のお父さん、お母さんへ、フリーランスで普段から在宅で仕事をしているフランス人の女性のアドバイスとして、
- 割り切って子供に集中して一緒に過ごす時間を設ける
- 可能であれば、取引先や勤務先に自宅に子供がいることを説明しておく
というものがありました。イライラしながら、子供の面倒を見ながら仕事をするよりも、子供を優先にする時間を作った上で、子供だけにしておく時間を設けてその間に仕事をする体制を取ったほうが結果的に仕事の効率があがるという意見です。
日本では許されないこともあるのではないかとは思いましたが、もし人間関係が許せば、自宅に子供がいることを伝えたうえで、できる限り勤務時間は業務を優先する意思を伝えたほうが、取引先や勤務先の人たちの信頼を得られることもあるでしょう。
なにより自分自身のストレスの軽減にもなりそうです。
また今回、在宅勤務が長くなってきた中で、我が家の息子くんを一人で勉強させるツールとして、教育系YouTuberのみなさんの動画がかなり役に立っています。
フランスのとっちらかっている先生(失礼…)の説明より、よっぽどわかりやすい!といって一人で楽しく見ながら、動画を止めて一人で問題を解いています。
それにNHKの学校向けコンテンツ「NHK for school」も幼稚園や保育園から高校までものすごく内容が充実しているんですね。
わたしの場合は、これも仕事の一環だと思って、予めなんのコンテンツを見せて、問題を解かせるかを決めて30分程度ごとの息子くんの一人勉強時間を決めています。
まだまだ移動制限が続きそうな状況ですが、少しずつ自分でインターネットのコンテンツを上手に使って自分で勉強する方法を覚えていってほしいなと思っています。
勉強以外の過ごし方としては、最近フランスでは家庭でできる工作キットがよく売れているようですが、わたしは子供と同じ遊びをするのが昔から苦手なので、家族みんなでラジオ体操をやったり、エクササイズをやったり、同じドラマを見たりして、自分がやりたいことで子供と一緒にできることで、時間を共有するようにしています。
まとめ
在宅勤務をしながら子供の勉強や面倒をを見ているフランス人の工夫として、
- 割り切って漫画やタブレットをつかって、子供が集中している間に仕事に集中するのも一手。
- 子供が優先と考える必要もないし、頭ごなしに静かにするように叱るのも効果が薄い。今親が何をしているのかをきちんとその都度説明して、子供にわかってもらうようにする
- 割り切って子供に集中して一緒に過ごす時間を設ける
- 可能であれば、取引先や勤務先に自宅に子供がいることを説明しておく
というのをご紹介しました。
在宅勤務と子供の世話の両立が難しい、子供と過ごすのが辛いときの参考となればうれしいです^^
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