6月といえば、結婚式の季節。「6月の花嫁は幸せになれる」といわれていて、ジューンブライド、という言葉もすっかり日本でもおなじみですよね。
フランスに住んでいると、一年中あちらこちらで結婚式が行われているようなイメージがあるのですが、フランスでは6月に行われる結婚式に特別な意味はあるのでしょうか。
そこで今日は、フランスでジューンブライドは幸せの象徴かどうかのジンクスや、フランスの結婚にまつわる言い伝え、結婚式に新郎新婦が身につけるほうが良いもの、避けたほうがよいといわれていることなどの迷信についてまとめてみたので、お伝えしたいと思います。
フランスでジューンブライドの迷信はある?結婚式は多い?
日本ほどにはフランスでジューンブライドが話題になるイメージはないのですが、フランス語でジューンブライドは普通に「6月の花嫁」une mariée de juin ユヌ・マリエ・ド・ジュアン と言います。
6月の結婚にまつわる迷信には、
Bonheur des mariés qui seront sous la protection de Junon.
「ジュノンの神に守られるしあわせな夫婦」
というものがありますよ。
そもそもジューンブライドのいわれは、 ローマ神話に登場する、結婚・出産の女神である女神ユーノー(Juno)の守護月が6月なので、この月に結婚する花嫁は幸せになれる、というもの。
6月のことはそれぞれフランス語ではJuin、イタリア語ではGiugno、英語ではJuneと言うのですが、この6月をあらわす言葉はもともと女神ユーノー(Juno)が語源だというわけです。
言い伝えはともかく、単純に現実的なことを考えてみても、6月のフランスは気温が上昇し、5月に比べて雨も少なくなるので、結婚式が挙げやすい月でもあります。
パリで5月の平均降水量は63.2mm、平均降雨日は9.8日なのに対して、6月になると平均降水量は49.6mm、平均降雨日は8.4日で、実際、5月より6月は雨が少なくなるんですね。
それに7月になると初旬からバカンスに出かける人が多くなり、招待客の都合があわなくなることもあって、フランスでは6月の結婚式を計画する人は多いです。
フランスの迷信、結婚にまつわるものはどんなものがある?
フランスには結婚にまつわる迷信で他にはどのようなものがあるのでしょうか。
結婚式の開催月についてのフランスの迷信
11月は日本のお盆にあたるLa Toussaint(万聖節)があるからそのときは結婚式をするのは避けられるのかなと思っていたのですが、月ごとに結構いろいろ興味深い迷信がありました。
- 1月 : 花嫁は未亡人になりやすい
- 2月 : 反逆の危険あり
- 3月 : 孤独の危険あり
- 4月 : 長い間一緒に暮らす夫婦
- 5月 : ローマ人の死の月
- 6月 : ジュノンの神に守られるしあわせな夫婦
- 7月 : まもなく後悔する危険
- 8月 : 夫婦は忠実な友人たちに囲まれるであろう
- 9月 : 夫婦は平和で穏やかな生活を送るであろう
- 10月 : 経済的なトラブルの危険
- 11月 : 夫婦は幸運のしるしのもとにある
- 12月 : 夫婦による愛は最後まで豊かになり続ける
意外に結婚に向かないとされている月もありますね。
特に5月の結婚はフランスの南東部の地域に、結婚式には縁起の悪い月と昔からいわれており、このいわれが根強い地域があるようです。
結婚はこの日はしてはいけない、についてのフランスの迷信
13日の金曜日も、キリストの最後の晩餐にちなんだ言い伝えとして、フランスでも不運の日とされています。
そのほかにも常識的ではない日として、エイプリルフールの4月1日、死者を祀る日である11月2日があげられます。
あとは、招待客が時間を間違えやすい夏時間と冬時間が変わった日、参加しにくい平日、サッカーなどの国民的スポーツの有名試合があるときは避けたほうがよいとも言われます。
フランスの結婚にちなんだ言い伝えいろいろ
フランスにも、結婚にちなんだいろいろな言い伝えがあってなかなか興味深いです。
日本でもいくつか知られているものもあれば、「えっ!」と驚くジンクスも。
それでは早速ご紹介しますね。
- 花婿は新妻の花嫁姿を結婚式の前まで見てはいけない
最後の心変わりを防ぐため・・・あと、花嫁自身も着替え終わった後に鏡に映った自分を見てはいけないんだとか。
- もし結婚前から同居していても、結婚式前日は同じ部屋で寝てはいけない
- 花嫁は未来をあらわす新品なもの、結婚が長く続くことをあらわす古いもの、忠実をあらわす青いものと幸運をあらわす近しい人からの借り物を身に着けなければならない
- 新郎のネクタイはまっすぐでなくてはならない
新郎が浮気すると言われているそう。
- 花嫁は真珠を身に着けてはいけない
花嫁がずっと涙を流し続ける不運な結婚生活になると言われていて、逆に宝石やキラキラ光るものを身につければ、その純度と透明性にちなんで幸運をもたらすと言われています。
- 銀貨を花嫁のドレスのスカートのスコートに縫い付け、花婿の靴の中に入れる
富と繁栄を願うため。
- 花嫁はブーケをこれから結婚する女性たちに向かって投げる
これは日本でもおなじみの言い伝えで、そのブーケを受け取った人が次に結婚すると言われていますね。
- 教会に入ってから祭壇に進むまで、右足を先に出すようにする
陥れられることなく、幸せな結婚生活を送ることができると言われています。
- 式を挙げた市役所や教会出口でのライスシャワー
子孫繁栄を願うため。最近では鳩が来るとか、掃除が大変という理由で、シャボン玉や紙吹雪、バラの花びらなどで置き換えられるようになってきています。
- 花嫁のベール
花嫁は悪霊から身を守るために、顔をベールで覆わなければならないと言われています。
- 結婚式の日の好天
結婚式の日に雨が降らないように修道女に祈りを捧げてもらうためには、卵を奉納しなくてはいけないとか。
- 結婚式の間に結婚指輪を落としてはいけない
夫婦の幸福が脅かされ、指輪を落としたほうが先に死ぬことを意味するので、縁起が悪いと言われています。
- クラクションを鳴らし続けて悪霊を退ける
フランスでは教会から披露宴会場まで道中、新郎新婦を乗せた車や招待客を乗せた車がクラクションを鳴らし続けることが多いのです。
結婚式の日は特別な日。
ネガティブな迷信にとらわれてしまってはいけませんが、フランスの結婚にまつわる言い伝えを取り入れて、夫婦や友人、家族みんなで明るく縁をかついでいただくためのアイディアに参考にしていただければ幸いです。
これから結婚される皆様、どうぞ末永くお幸せに!
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