日本では女性が子育てと仕事を両立させる環境が整っていないと言われるのと対象的に、海外では出産後の子育てと仕事を両立できる環境が整っていると言われていますよね。
その具体的な例として、たびたび挙げられる多いフランス。
でも、フランスだって女性が子育てと仕事の両立させるのはやっぱり大変なんですよ。
そこで今日は、フランスの働くお母さんはどんな環境の中でどうやって子育てと仕事を両立させようとしているかについて、お話してみようと思います。
フランス人の女性は共働きが普通でやっぱり大変
フランス人女性は働くしかない
2017年に発表された2015年のフランス人会社員の平均月収は2171ユーロでした。ここから社会保障費や税金を引くと実質の平均収入は1637ユーロです。
一方、パリでワンルームを借りるとしても、今や治安いい地区に1000ユーロを下る優良物件を探すのは至難の業。
それに現在、パリのアパートの1平米あたりの価格は9445ユーロだそうですよ。
つまりパリ市内に50平米のアパートを購入するためには平均で47万ユーロ、日本円にして平均で6000万円必要だという計算になんですよねー。
だからわがやの場合も、パリ市内はおろか、パリに隣接する市内にも家族4人で住むアパートは買えませんでした・・・泣
そもそも家賃や住宅ローン返済額は収入の3分の1以内である必要があります。お父さんの収入だけでは、家を借りることさえできないのです。
家計に余裕を持たせるというよりは、生活を支えるために、必然的にフランス人のお母さんたちは働かざるをえないんですよね。
結婚している女性かどうか、というはっきりした数値は見つからなかったのですが、統計局のデータによると、現在、フランスの25-59歳の女性のうち4分の3は働いているそうです。
ちょっと前の統計局のデータでは、2011年時点で専業主婦の割合は5人にひとり。1991年は3人にひとりだったので、確実に専業主婦の数は減っています。
どこかの雑誌かインターネットの記事に、フランス人女性は勤務時間を短縮させてもらえる、ということがありましたが、今ではフランスもかなりリストラが進んでいて、一人当たりの仕事量は増えているので、勤務時間短縮の交渉は以前よりかなり難しくなってます。
これも統計局のデータを見てみたところ、実際フランスの働く女性の7割は、週35時間労働の条件で働いているそうですよ。
フランスでもお母さんのほうが子育ての負担が大きい
確かに日本に比べてフランスの会社では
- 有給休暇がとりやすい
- 病欠は医者からの診断書があれば、有給休暇と別途取得できる
- 子供の病気を理由とした病欠は別途取れる会社もある(わたしは年に6日権利があります)
というのはありますが、職場の女性に子供がいるのはフランスでは普通なので、子供の病気以外の理由で大変なことはあまり加味されないと感じてます。
フランスの男性は家事や育児に協力的とはいいますが、学校の行事や面談などはお母さんが担当することが多いので、普通にみなさん休暇や時間休を取得してます。
フランスの働くお母さんたちの条件もなかなか大変なのです。
子育てと仕事を両立させているフランスの女性に見るその対策
そこでフランス人のお母さんたちは仕事と育児の両立にどうしているのか、早速ご紹介します。
預ける
子供たちの長い休暇や学校のお迎えには、積極的におじいちゃんやおばあちゃんのヘルプをもらっていますね。
フランスではよく子供をよそに預けると言われますが、やっぱりフランスのお父さん、お母さんも子供を他人に預けるのは不安に感じているものです。
お金がかからないというのはありますけど、なにより自分たちの両親なら安心して子供たちを預けられますよね。
自分の子供のためならと割り切って、離婚した元旦那の両親に預けているシングルマザーのお母さんも何人か知っていますよ。
働く時間をオーガナイズする
でももちろんわたしのように両親が近くにいない場合もあるし、孫の面倒は見たくない、見られない、というおじいちゃん、おばあちゃんもいますから、みんなベビーシッターさん探しには本当に苦労しているし、子供たちがまだ小さいときは、わたしもかなり苦労しました。
フランスは学校の就業時間を過ぎたらそのまま預かってくれる学童保育も発達していますが、学校に連絡しないままお迎えの時間を超過してしまうと、警察に子供が連れて行かれてしまうこともあります。
ベビーシッターさんの超過代もかなり高くつきます。
だから会社での自分の業務責任をはっきりさせて、自分の仕事の時間割を細かく作って仕事しているフランス人女性が結構います。
会社の資料はわかりやすく整理しておいて、仕事は時間内にきっちり終わらせて帰る。
わたしもフランスの会社で、フランス人女性の同僚たちから、会社のサーバーの整理整頓、時間の使い方をかなり学びましたね・・・
だんなさんと協力する
朝はだんなさんに子供の面倒を頼んで自分は早く会社に来て効率よく仕事を終わらせ、夕方早めに帰宅するお母さんも結構います。
フランス人男性は家事や育児に協力的で、それが女性の子育てと仕事の両立を支えているのは確かですが、そんな時、だんなさんとうまくいっているフランス人の多くのお母さんたちは、だんなさんに感謝の気持ちを表すようにしているということ。
というのも、フランス人の夫婦は、子供がいるから離婚しない、という考えは全くないんですね。
わたしはだんなさんが日本人なので、職場のフランス人同僚たちと家族の話をすると、「もっと感謝を示さなきゃだめだよ。」と怒られます。
フランス人の夫婦のルールから学ぶもの、あります・・・
手抜きをする
フランス人は料理が上手なイメージがあるかもしれませんが、徹底的に作らない人は作りません。
冷凍食品専門店ピカールがフランス全国に1000店舗もあるとおり、冷凍食品も普段の食事にがんがん取り入れているし、総菜屋さんは日本ほどないし高いので、夜ご飯は毎日ご飯とゆで野菜とローストした鮭や肉、そんなに手間をかけないといううちもたくさんあります。
フランス人の家はさぞかしおしゃれできれいかと思いきや、急にお邪魔すると、結構とっちらかっているおうちも多いです。
最初の出産のあと、産後鬱になりかけていたわたしに、地域の民生委員の女性の家庭訪問があって、
「部屋に埃があるからって、子供はそう簡単に病気にならないわよ。スーパーの配達サービスを利用するのも悪くないわよ。必要なものだけしかクリックしないから、余計なもの買わないですむし。」
といって豪快に笑っていたのを今でも覚えています。
自分のやり方に自信を持つ
フランス人ママンたちが本当にすごいなあと思うのは、この民生委員さんのように「これでいい!」と決めた自分のやり方に最後は自信を持つことなんですよね。
掃除や料理の完璧を求めるより、自分が一番バランスが取れていると思うやり方!
周りがどう思うだろうか?
他の人はどうやってるんだろうか?
といった他人からの目にあまり左右されないのがすごいなあと思います。
フランスのお母さんたちも噂好き。
迷っている人にはアドバイス?するのも積極的です。
だけど、我が家は、わたしはこのやり方、と決めたら、100点でなくってもよしとする。
お金を払って任せてしまうことは任せて、料理をしない時はしない。
最後は割り切って子供やだんなさんと楽しく過ごすことを優先しているなって思います。
これこそフランス人女性が子育てと仕事をうまく両立する秘訣だと感じています。
これ、なかなか難しいんですけれど、ほんと見習いたいと思いますね~
最後に
確かに我が家の子供達も、毎日完璧な夕ご飯があって、家の中がピシーっときれいになっていることより、ママであるわたしが楽しそうにしていることのほうを喜んでくれるんですよね。
それぞれのお母さんの働く環境はまちまちなので、全部は取り入れられないと思いますが、子育てと仕事の両立は無理!と思った時にほんの少しでもお役に立てたら嬉しいです。
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