2019年1月、フランスのタクシー料金制度の改定がありました。
わたしはパリ郊外に住んでいるので、パリ市内とパリ北部にあるシャルル・ド・ゴール空港と、パリ南部にあるオルリー空港のタクシー運賃が定額なのは知っていましたが、地方都市では空港と市内へのタクシー料金も同じような制度があるのか?これを機会に調べてみたところ、ニース空港と、ニース市内・カンヌ・モナコとの間に固定料金があることを知りました。
そこで今日は、パリの空港と市内のタクシー料金の定額制度にあわせて、ニースやカンヌなど地方ではどのようなタクシー定額制度になっているのか、またニースのタクシー料金の相場についてまとめ、最後にフランスのタクシー料金が定額の時のチップについてもお伝えしたいと思います。
参考になれば幸いです。
パリの空港と市内間のタクシー料金の定額制度2019
2016年3月からパリ近郊の空港であるシャルル・ド・ゴール空港とオルリー空港と、パリ市内の間は定額料金が適用されています。
2019年の改定でも、この点には変更はありません。
シャルル・ド・ゴール空港とパリ市内の場合は、パリ市内の到着地がセーヌ川より北側(右岸)なら50€、南側(左岸)なら55€です。
オルリー空港とパリ市内の場合は、パリ市内の到着地がセーヌ川より北側(右岸)なら35€、南側(左岸)なら30€です。
当然のことながら、この定額料金は距離や時間に関係なく一定の料金です。
というのも、シャルル・ド・ゴール空港の近くにパリ・ノール・ヴィルパントという見本市会場があって、本来ならパリ・ノール・ヴィルパントからパリ市内のほうが、シャルル・ド・ゴール空港から市内よりもずっと距離が短いのですが、夕方の渋滞に巻き込まれると、パリ・オペラ地区まで戻ってくるのに80€ほどかかるのはざらです。
タクシーの運転手さんに聞きましたが(運転手さんにしてみれば、何を聞くんだというところでしょうが)、いくら空港の近くからだろうが、空港からでないと、この定額料金を適用することはできないということでした。
ニース空港とニース市内やカンヌの間のタクシー料金も定額
パリ市内と空港の間のタクシーの定額料金の制度は、フランス政府によって定められているものですが、タクシー料金の定額料金が適用されている地方の空港はニース・コートダジュール空港です。
南仏のニースの空港、ニース・コートダジュール空港と、ニース市内の間は32€、カンヌ市内の間は80€。モナコでは90€です。
この価格は乗車する時間帯に関係なく、24時間適用されます。
(参考:taxiproxi.fr)
トゥールーズの空港から主要鉄道駅や市内へのタクシー料金も定額料金が適用される事がありますが、フランスのインターネットサイト情報をtaxiproxi.frや政府の公式サイトService-Public-proのサイトを読むと、タクシー会社独自に設定しているもので、必ずしも適用されるわけではないので、予約時や乗る前に確認・交渉する必要があります。
ニースのタクシー料金の相場は?
パリ市内と空港の定額料金に比べてニース空港のタクシーの定額料金は結構高いと感じたので、そもそもニースのタクシー料金制度について調べてみました。
ニースのタクシーの料金カテゴリーは政府によって決められていて、その上で、ニースのある県、Alpes-Maritimes(アルプス=マリティム)が定める料金があります。
こちらは2018年の料金表ですが、
初乗り料金 | 料金カテゴリーA | 料金カテゴリーB | 料金カテゴリーC | 料金カテゴリーD | 1時間あたりの料金 |
平日昼間の時間帯で戻りの乗客をそのあと乗せられるとき。 | 平日夜間、日曜祝日の昼間で戻りの乗客をそのあと乗せられるとき。 | 平日昼間の時間帯で戻りの乗客をそのあと乗せられないとき。 | 平日夜間、日曜祝日の昼間で戻りの乗客をその後乗せられないとき。 | 日・時間帯にかかわらず | |
3,50€ | 1,06€/㎞ | 1,45€/㎞ | 2,12€/㎞ | 2,90€/㎞ | 26,00€ |
(参考:アルプス=マリティム政令2018書類)
もし乗車して、すぐ降車することになっても、最低料金である7,10€は支払わなくてはいけません。
タクシーを待たせる時間は1時間あたりの料金をベースに計算されます。例えば予約してタクシーが到着してから15分待たせれば、6,50€課金されるということになります。
これに、予約料金や、荷物やペット、4人目の乗客に対する追加料金が別途加算されます。
カンヌも同じAlpes-Maritimes県に位置しているので、この料金制度は同じです。
ニースの空港と市内の距離は自動車の道路ベースで10㎞未満、カンヌとの間は27㎞、モナコとの間は30㎞なので、もし渋滞がなくてすんなり走れば、定額料金よりも普通の料金設定のほうがお得になる気がしますが、実際に乗ると、渋滞や信号があって結構かかるのかもしれません。
パリ市内と空港間など、タクシー料金が定額だった場合、チップはどうする?
最後に、パリ市内と空港間、ニース空港から市内やモナコなど、フランスのタクシー料金が定額だった場合、チップはどうしたらいいのか?という点についてお伝えします。
他の記事でもお話しているとおり、フランスではチップは義務ではありません。
ご参考まで〜
ただ、フランスのタクシーの料金は内税ですし(付加価値税10%)、タクシー会社に勤めている運転手さんにとっては、すべてが収入になるわけではないので、チップをもらえるとありがたいことは間違いありません。
もし運転手さんに良くしてもらったり、楽しい旅の思い出になるようなひとときを過ごせたときは、コインで1〜2€ほど添えてあげるといいですね。
まとめ
パリ市内と空港の間のバスや電車は正直便利とは言えず、多少料金ははりますが、フライトで疲れた後に空港出口からすぐ乗れるタクシーで、自宅やホテルまで一気に送ってもらえるのはありがたいことです。
なれない土地のタクシー料金は騙されるのではないかと不安になることもありますが、フランスのタクシーは比較的良心的だと思います。
フランスのタクシーは危険と書かれている情報もありますが、貴重品が入った荷物が外から見えないようにしておくだけで、襲われる可能性はかなり少なくなりますし、運転手さん自体はいい人が多いです。
フランスのタクシーを賢く活用して、旅の限られた時間内で、素敵な時間を過ごしていただけますように。
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