海外でタクシーに乗ると、どんどん値段が上がっていくタクシーメーターに不安になりますよね。
そして、最終的な値段を見て「え?」と思ったことありませんか。
日本からフランスに来た方から、フランスでタクシーに乗って、乗った距離の割に値段が高かった、という感想を伺うとき、遠回りされたんじゃないかとか、騙されたんじゃないかとか、もやもやした気分になる気持ちはとても良くわかるので、いつもとても気になります。
そこで、フランスでタクシーを使うことの多い在仏15年あおいそらが、政府が1月に発表した2019年最新のフランスのタクシー料金についてご説明しながら、乗った距離の割に高くてショックだった時の確認ポイントをお教えしますね。
フランスのタクシーの料金は距離や乗車時間で単純に決まるのではない
フランスのタクシーの価格は1時間でどのくらいですか?30分の料金はだいたいいくらですか?というご質問をいただくことがありますが、明確には答えにくいです。
乗車場所・走行する場所(パリ市内で乗っても、そのまま郊外に出る場合)、乗った時間帯、曜日によって、1㎞あたりの価格で計算されます。
まず大前提として、フランスのタクシーの金額は政府・県が公式に設定している料金カテゴリー設定ルールがあり、パリ市内と郊外については最高料金ルールが明確に定められています。
それではまず、2019年最新版、政府が公式に設定しているフランスのタクシー料金カテゴリー・最高料金価格表からみてみることにしましょう。
(参考:政府公式サイトService-Pubric)
この表からわかるように、パリ市内では信号待ちやスピードが極端に落ちるときには1時間あたりの価格設定に切り替わるので、空港からパリ郊外の自宅までタクシーで帰るのに、1時間弱で普段は70€くらいのところ、2時間以上かかって120€かかったことがあります。
とは言っても、ご参考まで、下記の距離のおおよその料金を調べてみたので、載せておきますね。
- パリ北駅→オペラ座(3㎞):所要時間10分 平日昼間7€、夜間・日曜祝日昼間8€
- オペラ座→Fondation Louis Vuitton(6km):所要時間17分 平日昼間9€、夜間・日曜祝日昼間11€、日曜祝日夜間12€
- モンマルトル→モンパルナス(9㎞):所要時間29分 平日昼間13€、夜間・日曜祝日昼間15€、日曜祝日夜間17€
2019年からの値上げに伴って、タクシー料金が高くなったなあと感じています。
上の料金はtaxis-paris.frのサイトで調べましたが、いくら渋滞がなくても、実際はこれより2〜3€高くなると考えたほうがいいと思います。
タクシーメーターの料金カテゴリーの切り替えはマニュアルのこともありますが、最近ではGPS情報やで時間で自動的に切り替わるものが多くなってきているようで、わたしも時々メーターのところに出てくるアルファベットを確認しますが、運転手さんのインチキにあったことはないです。
1㎞あたりの単価を覚えておくことはできないので、心配なときは、
- パリ市内なら、平日昼間はAランプ、平日夜間と日曜祝日昼間ならBランプ、日曜祝日の夜間ならCランプで、パリ郊外に出ると平日昼間はBランプ、その他はCランプ
とざっくりおぼえておくといいですね。
タクシーの行灯の小さなランプでも、今どの料金カテゴリーになっているか、確認することができますよ。(大きなランプのカラーは空車(緑)か乗車または迎車(赤)を示していますので、間違えないようにしましょう。)
(credit:wikipedia)
それぞれの料金カテゴリーに対する地方のタクシー料金設定は、政府が設定したルールに基づいて、地方自治体(デパルトモンと呼ばれる県)の法律によって定められていますが、パリよりもだいたい安くなっています。
パリやパリ郊外には設定されていない料金カテゴリーDについては、例えば、ロワール地方のナントのあるタクシー会社のインターネットサイトをチェックしてみたところ、2,54€/㎞、ガロンヌ地方のタクシー会社のインターネットサイトでは2,68€/㎞となっていました。
雪の日もこの価格帯料金Dが設定されることもあります。
フランスのタクシー運賃が高いと思った時のチェックポイント
フランスのタクシーの深夜料金や日曜日の乗車を考えても、この値段は普通なのかな?と思うことがあったら、それは初乗り料金やその他条件による追加料金の可能性があって、これも政府によって最大料金が定められています。
フランスのタクシー料金が高いと思った時に、当てはまる条件がないかどうか、一緒にチェックしていきましょう。
フランスのタクシーの初乗り料金
流しのタクシーを捕まえても、初乗り料金は4,10 € です。
そのときさらにタクシー予約をした場合は、追加料金が発生します。
- パリとパリ近郊の場合、即時予約したときは4€、前もっての予約のときは7€、運転手含めて5人以上(乗客4人)の予約のときには4€の追加料金が発生
- 地方で予約した場合は、それぞれの都市で定められた追加料金が発生
即時予約 | 前もって予約 | |
リヨン | 2 € | 4 € |
ニース | 4 € | 4 € |
カンヌ | 2 € | 2 € |
パリのタクシーの「4人以上の乗客の予約の時に4€の追加料金」は新しいルールでちょっとびっくりです。
だから予約しただけで初乗り料金が8〜11€になります。
フランスのタクシーの最低料金は7,10 €
フランスのタクシーに乗って、ほんの数メートルで「やっぱりやめた!」となった場合でも、乗客は7,10€の最低料金の支払い義務が生じます。
だからタクシーの運転手さんに腹を立てたり、同乗者と喧嘩したりして急に降車することになっても・・・払わなくてはいけません。
フランスのタクシーは乗客人数が4人を超えると追加料金
日本人として最もわかりにくく、注意しなくてはいけない追加料金制度がこれですよね。
もちろんフランスのタクシーの定員はその車の定員に等しいのですが、フランスのタクシーは助手席に乗客を乗せるのは義務ではありません。セダンのタクシーに「わたしたち4人なんだけど」と言ったら、断られたり、後ろの大きいタクシーに乗って、と言われたことは何回かあります。
載せてくれたとしても、パリ市内と郊外のタクシーは乗客が4人目から、一人あたり4€、地方では一人あたり2,50€、追加料金が発生します。
確かこれまでは、子どもは乗客数に含むことは明確になっていなかったと思いますが、今回からは一人の子供も乗客数1にカウントすることになっています。
こちらに細かい情報をまとめてます、よかったらどうぞ!↓
フランスのタクシーの荷物への追加料金の条件は?
パリとパリ郊外のタクシーはスーツケースなど、後ろのトランクに入れてもらう荷物に対して追加料金は発生しません。
以前、この追加料金が定められていたことがあった流れで、発生しなくなってからも、適当に追加料金をつけているパリのタクシーの運転手さんがいましたね。
ただ、地方ではトランクに入る限りの荷物について、1つあたり2ユーロの追加料金は今でも発生します。
いずれにせよ、車椅子については追加料金は発生しません。
フランスのタクシー、犬は乗せられる?
フランスの公共場所は日本に比べてペット同伴に寛容です。
フランスのタクシーもペットは乗せられて、パリとパリ郊外のタクシーなら、追加料金も発生しません。ただ、地方では目の不自由な方が同伴している盲導犬を除き、追加料金が発生します。(料金の明記なし)
フランスのタクシーを待たせた場合
フランスのタクシーには、運転手さんの労働時間の都合が合う限り、複数の場所を回ってもらうこともできます。
その時、待ち時間は1時間あたり最大で36,73 € の料金が別途発生します。これはタクシー予約をした時に待たせた場合にも適用されます。
フランスのタクシーの出すレシートは最強
追加料金の条件は当てはまったでしょうか。
それにしたって、フランスのタクシーの運転手さんに英語で確認するのは難しい・・・そんなとき、レシートの確認は最強です。
フランス語ではUn reçu, s’il vous plait. アン・レシュ・シルブプレといえばレシートを出してもらえますし、もちろん英語で、receipt please!レシート・プリーズでも必ず通じます。
フランスのタクシー運転手にとって、25ユーロ以上の料金がかかった乗車についてはレシートの発行と手渡しは義務です。
昔はタクシー会社の名前と住所が印刷されたシンプルな紙に、ネズミのような字で金額だけが書かれた領収書を手渡されることが多かったですが、今ではたとえ手書きであっても、
- 乗車日
- 乗車時間と降車時間
- タクシー会社の連絡先か運転手の連絡先
- タクシーのナンバープレートの番号
- 万が一クレームを上げるための連絡先
- 追加料金以外の税込乗車料金最低料金
- 追加料金の税込金額
- 特別料金になった場合の条件(深夜料金、降雪時・凍結時の乗車)、追加料金明細
- (乗客の希望に応じて)乗客名、乗降場所
フランスのタクシー会社は最低2年間、レシートのコピーを保管しておく義務があります。
これまではタクシーの乗車時間、乗車日と乗車時間、距離に応じたタクシー料金についてご説明しました。
次に、フランスのタクシー価格で、定額料金が適用されるケースをご紹介しますね。
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