「フランスのタクシーは助手席に人を乗せるのを拒否できる」
「フランスのタクシーは客が4人いる場合は拒否できる」
という、最近では日本人のみなさんの間でもまことしやかに言われるようになったアノ噂。
しかし最近では、フランスでもUBERが使われることが多くなってきたせいか、運転手さんに丁重にお願いすると、乗車人数が3人でも助手席に乗せてくれることもあり、
あれ?なにか法律変わったの?
と拍子抜けすることもしばしば。
この2019年1月からフランスのタクシー料金は値上がったし、正式に変わったルールがあるのかな、と思って政府の公式サイトを中心にフランスのタクシーのルールを改めて確認したところ、上の噂ではルールの理解に少し誤解があるどころか、一つは嘘だったことが判明!
そこで改めて、フランスのタクシーに乗れる乗車定員と注意点について2019年最新事情をお伝えしますね!
フランスのタクシーはそもそも何人乗りなの?
基本的に、フランスのタクシーの乗車定員は、その車の法定の乗車定員です。
もし乗るタクシーがセダンタイプであれば、後ろは3人、助手席と運転席で5人だから、乗客は4人まで。
2019年から子供も大人同様に1人とカウントする決まりになりました。
フランスでは、乗客が赤ちゃんや子供にもチャイルドシートやベビーシートを乗客が自分で持ち運ぶことを推奨しており、チャイルドシートはタクシーでも着用義務があります。(だから最近はタクシーの中に備品としてチャイルドシートを持っている運転手さんが多いですね。)
そうなると、結局ベビーシートやチャイルドシートは大人一人分の場所をとることになるので、今回の変更は自然な流れと言えます。
またフランスでは「ヴァン」と呼ばれる、車が大きいワゴンタイプだと、こちらでは8人乗りや9人乗りもあるので、乗客は7人か8人まで、ということになります。
でも、パリの大手タクシー会社G7のインターネットサイトの案内では、ワゴンタイプの車には「5、6、7人でも乗れます」となっていて、8人まで乗れるとは書いていません。
なんでだろう?
もしかして、今では随分日本人観光客のみなさんにも知れることとなった、アノうわさ、
「フランスのタクシーは助手席に人を乗せるのを拒否できる」
「フランスのタクシーは客が4人いる場合は拒否できる」
のせいなのでは?
そこで、フランスの政府公式サイトを中心に、タクシーの乗車人数に関する情報をインターネットで調べてみたところ、新たな発見がありました!
フランスのタクシーで助手席に乗せるのは4人目の乗客から
政府の公式サイトやその他のフランスのタクシーに関する情報によると、フランスのタクシーは5人乗りタイプの場合、4人目の乗客は助手席に乗せなくてはいけません。
つまり乗客が3人の場合は必ずしも助手席に乗客を乗せなくてもいいと解釈できます。
だからといって乗客が4人いる場合は乗車拒否していいという決まりはないということにもなります。
むしろタクシーの運転手が乗客の乗車を拒否していいケースは、以下の4つの場合のときだけです。
- すでに乗客がいる場合、もしくは迎車の場合(車の上のランプがそのことを示すように点灯している)
- 乗車を希望した客が盲導犬以外の動物を連れている場合
- 乗車を希望した客が衛生に問題があったり、酩酊状態だった場合
- 勤務時間最後の15分に、乗車を希望した客の行き先が運転手の自宅やガレージの方向と違う場合
また乗客は乗車中に車を止めさせて、(5人乗りの車の場合)4人目の客までは同乗させることも可能です。
つまり、「フランスのタクシーは助手席に人を乗せるのを拒否できる」というのは3人以下の乗客のときだけだし、「フランスのタクシーは客が4人いる場合は拒否できる」というのは嘘です。
フランスのタクシーでは4人目の乗客から、どんな車でも追加料金が発生する
フランスのタクシーでは迎車料金、メーターの料金の他に、追加料金が発生するケースがあります。
- パリとその周辺のタクシーの場合→4人目の乗客から一人あたり4ユーロ。
- 地方のタクシーの場合→4人目の客から一人あたり2,50ユーロ。荷物の量が多いときは2ユーロ、盲導犬以外の動物を連れているとき(金額明記なし)
(参照:service-pubiic)
つまり、もともと助手席は4人目の乗客が乗るもので、以前は価格はもっと安かったのですが、とはいえ助手席は4ユーロや2,50ユーロ払ってもらって乗客が座るもの、という考え方なんですね。
これはもしヴァンと呼ばれるワゴンタイプを利用しても同じで、4人目からの乗客については一人あたり追加料金がかかるということになります。
ワゴンタイプのヴァンなら乗車定員は8人か9人乗りなのに、なぜタクシーG7のサイトではヴァンに8人まで乗車できると明記されていなかったかというと、フランスでは9人乗りの車までタクシーにすることが可能なのですが、単純にタクシーG7のヴァンは8人乗りなので7人まで、ということのようです。
タクシーG7のセダンタイプの車の乗客の定員は4人まで、とサイトに明記されていましたので、助手席にも乗れます。
ちなみに9人乗りの車はハイヤーサービスで使われていることが多いですが、誰があと1人どこに乗るかというと・・・トラックのように助手席と運転席の間が席になるので、安全と快適さの面から言っても、9人目の場所はあまりいい場所ではありません。
まとめ
- フランスのタクシーが助手席に人を乗せるのを拒否できるのは3人以下の乗客のときだけで、4人目の客を拒否することはできない
- フランスのタクシーは客が4人いる場合は拒否できるという噂は嘘
- 車の大きさにかかわらず、フランスのタクシーに4人以上の客が乗るときは、4人以上の人の全員分の追加料金が発生する
わたしがまだフランスに来たばかり、15年ほど前は、タクシーにGPSなどついていなかったのですが、パリのタクシーの運転手さんは皆、一言パリ市内の道を言っただけで、さっと目的地に連れていってくれるので、すごいプロフェッショナリズムだと思ったものです。
最近はフランスのタクシーの運転手さんにはとっても感じのいい人が増えました。
それでも昔からの運転手さんはプライドをもって仕事をしている人が多いので、乗客の希望をすべて聞こうとはしてくれない運転手さんもまだいるかも知れません。
タクシーに4人以上の乗客や3人で助手席の利用をお願いしても、相変わらず相手にしてくれない運転手さんも事実まだ残っています。
そんなときは、喧嘩したり交渉したりするのも時間の無駄なので、その運転手さんのことはなるべく忘れるようにして、気を取り直して別のタクシーを探すか、予約サイトやアプリでタクシーを呼んでしまう、もしくはレストランやホテルで呼んでもらうことをおすすめしたいですね。
あ、最後にひとつだけ、フランスではタクシーの乗客には全員シートベルト着用義務がありますよ、どうぞお忘れずに!
コメント