パリのノートルダム大聖堂が大変だ!
4月15日、自宅に戻る前に、だんなさんからLINEの連絡が入りました。
もしかしてまたパリでテロかと思ったら、なんと今回は火災ではありませんか。
帰宅したら、つけっぱなしになっていた我が家のテレビでは、燃え盛るノートルダム寺院と消火活動にあたる消防士の姿が実況中継されていました。
ゴールデンウィーク目前、今後のパリの観光で気になる、「今回のパリのノートルダム大聖堂の火事で燃えてしまったものは何?」
また「どうして石造りの大聖堂がこんなに燃えてしまったの?」
最新のノートルダム大聖堂の様子についてフランスの報道最新情報を一気にまとめてみました。
ノートルダム大聖堂の尖塔が崩れた衝撃的な瞬間!
今回のパリのノートルダム大聖堂の火事で一番の衝撃は、大ステンドグラスであるバラ窓と並んでノートルダム最大の見どころでもある、93メートルあるノートルダムの尖塔が崩れてしまったことでしょう。
こちらのツイッター動画では、今回のノートルダム大聖堂の火事で、尖塔が崩れ落ちる瞬間を見ることができます。
La flèche de la Cathédrale, 93 mètres, s’écroule !
On ne connaît pas encore l’origine de l’incendie pic.twitter.com/POq9iSQScI
動画の中では、火事の様子を見守っていた多くのフランス人の落胆の声も聞こえてきますね。
フランス革命時には王政時代の象徴の建造物とみなされて破壊され、荒廃していたノートルダム寺院。
ヴィクトル・ユーゴー「ノートルダムのせむし男」によって再びパリのシンボルとして注目されて、作られたばかりの13世紀の姿に近い形で再建されてからまだ200年経っていません。
パリのノートルダム大聖堂は激しい戦火も免れながら、パリ市民に愛されてきたのです。
パリジャン、パリジュエンヌ、またパリに訪れた世界各地からの観光客の皆さんの落胆も当然です。
また、今回の火災では、ノートルダムの尖塔が崩れ落ちると同時に、屋根の約3分の2にあたる部分も崩壊、13世紀と19世紀にそれぞれ作られた木の骨組み部分についてもほとんど残らなかったということです。
うつくしいステンドグラスで作られたバラ窓はどうなるかとしばらく固唾をのんでテレビを見守っていましたが、ほんの一瞬、数回映されたバラ窓の方角は、火の手は上がっていなかったように見えましたし、今のところフランス語の報道にもバラ窓の被害に関する情報は出ていません。
= 4月16日追記=
バラ窓は今のところ一部が黒ずんだほかは無事のようですが、鉛でできたフレーム部分が熱によって弱くなっている可能性があり、予断は許さない状況とのこと。
ノートルダム大聖堂の火事の原因は?石造りなのになぜ燃える?
火災発表は午後6時50分頃。午後11時頃にはほぼ鎮火しました。
このように、わたしが帰宅してテレビを見たちょうど22時頃はまだ火は赤々と燃えていました。
しかし、今回の火災は非常に複雑な火災、という言葉がテレビの報道でも何回も繰り返され、まだ完全に鎮火したと断言するには数日間かかかるとのことです。
建物の構造の危険性の確認も含め、この数日内のうちに再びわたしたちがノートルダム大聖堂の中に入れる可能性は絶望的です。
今回のノートルダム寺院の火事の原因は改修工事に関係するかもしれない、と各誌で報道されていますが、まだはっきり確定された原因ではなく、今後詳しい検証が行うことをすでにパリの検察庁は発表しています。
ノートルダム大聖堂前でインタビューを受けていた人も、「辛いのは今日じゃないわ、いろいろわかってくる明日なのよ。」と答えていました。
今回の火事では、大聖堂に隣接するホテルや住人の一部が避難する事態となり、ノートルダム大聖堂に燃え盛る炎を多くの人々が見守る中、400人以上の消防士が動員され、高さ数十メートルにも及ぶはしごから消火活動を行う姿が午後10時半ごろのテレビでも報道されていました。
消火活動のクライマックスは21時40分すぎからでした。
ノートルダム大聖堂のような建築物の場合、上空から放水する鎮火方法は、空気に触れることで高熱になった建物がすべて崩壊してしまう可能性があるということで、外側からの放水による消化だけでなく、18本のホースを使った内部からの消火活動も行われました。
消火活動にあたった消防士によると、まず火がついたのは大聖堂の屋根裏にあたる部分で、12〜14世紀の間に建てられた建造部分の屋根に設置された修復工事用の足場のあたりだったとのことです。
ところで一見、石でできていて火事では燃えそうにないノートルダム大聖堂ですが、なぜ今回の火事でこんなに激しく燃えたのか、不思議に思った方もいらっしゃるかもしれません。
実はノートルダム大聖堂の骨組み部分は木片や鉛でできているのです。
建物の石が熱せられると、木や鉛でできた内部構造が弱くなり、木片で支えられているものはすべて崩壊に向かうのは必然。
専門家は、比較的早い段階で尖塔が崩壊することは予知できていたと報道しています。
ノートルダム大聖堂の修復はありえる?
テレビでインタビューを受けていたフランス人女性は、「もう終わりよ、修復されるのはありえないわ」と言っていましたが、23時位の報道では、屋根は崩れてしまったものの、2つの塔はかろうじて残り、大枠の構造は保持された、とのコメントが出されていました。
火事の最中も、大聖堂の中の美術品の救出活動が行われました。
とはいえ、今回のノートルダム寺院の火事の修復には莫大な費用がかかるのは確かです。
大規模な寄付を募る活動もすでに始まっています。
今後の動向に注目していきたいと思います。
= 4月16日追記 =
翌日になり、今回の火災により大聖堂の内部で無事だったものと破損したものが明らかになってきました。
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