これからはじめてヨーロッパに来るという方は、通貨の両替について考えていらっしゃるかもしれませんね。
EU19カ国共通の通貨ユーロ(€)を使っているヨーロッパの国々では、アメリカで使われているドルは使えません。
ユーロ紙幣には5ユーロ、10ユーロ、20ユーロ、50ユーロ、100ユーロ、200ユーロ、500ユーロがありますが、現地の人たちがよく使っている紙幣、それぞれのシーンで使い勝手がいい紙幣があるんです。
ヨーロッパ渡航前の両替の時にはどのユーロ紙幣に両替すればいいのか、両替するときに気をつけたほうがいいポイントについて、ユーロ圏にすむあおいそらがお伝えします!
ユーロでよく使う紙幣はどれ?いつ使う?
EUに加盟していて、ユーロを使っている国は、アイルランド、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、キプロス、ギリシャ、スペイン、スロバキア、スロベニア、ドイツ、フィンランド、フランス、ベルギー、ポルトガル、マルタ、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルグです。
(デンマーク、スウェーデン、イギリス、ブルガリア、チェコ、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、クロアチアは独自通貨を使っていて、ユーロを導入していません。)
最近は、フランスでもクレジットカードが使えない場所はほとんどなくなってきて、現金での支払いが必須のシーンは本当に少なくなりました。
そんな中でも、ユーロ圏で普段からよく使われる紙幣は50ユーロ紙幣、20ユーロ紙幣、10ユーロ紙幣、5ユーロ紙幣ですね。
50ユーロ紙幣は、20ユーロを超えるタクシーの支払いにかなり便利なんです。
フランスの場合はタクシーが必ずクレジットカードリーダーを搭載しているとは限らないので、なかなかタクシーが見つからない場所で早く乗らなくてはいけない、という時に、50ユーロ札があると、クレジットカードで払えるタクシーを待たずに済むので助かります。
パリ市内の移動なら20ユーロ前後のはずなので、50ユーロ札1枚あれば気が楽ですよね。
カフェやレストランで食事をしたときの支払いのときにも、クレジットカードを使わないなら、50ユーロ紙幣があると、支払いやすいですね。
わたしの場合、それ以外はほとんど50ユーロ紙幣は使わないので、財布の中にあると「お、わたし今結構お金持ちだな〜」と思う感覚です。
ただ、たまにお店のクレジットカードリーダーが壊れているとか、理由はわからないけれどカードが読み込まれないで支払えないこともあるので、旅行中は念のために50ユーロ札を2〜3枚持っておいたほうがいいと思います。
1ユーロに近い金額を50ユーロ紙幣での支払いを嫌がるお店があったとしても、一般的に10ユーロ紙幣や20ユーロ紙幣へ崩すのは簡単なので、おすすめですね。
両替してください、と言いにくかったら、スーパーなら大丈夫。
お水やガムなどをを1つ買うのでも、特に50ユーロ札での支払いなら問題はありません。
でも財布をすられるリスクもあるし、慣れないお金だとおつりがよくわからないことも多いと思うので、特に高額を現金で払うつもりがなければ、本当に2〜3枚両替しておくので十分です。
でも、普段頻繁に使われているユーロ紙幣といえば、5ユーロ紙幣、10ユーロ紙幣、20ユーロ紙幣ですね。
わたしの住んでいるフランスだけでなく、ヨーロッパ中のユーロを使っている国々で、問題なく使え、使い勝手がいい紙幣はこの3つです。
ユーロ紙幣で使い勝手がいいお札ってどういうこと?
フランスの大手スーパー系のお店では今ではクレジットカードがいくらからでも使えるのですが、カフェや個人経営のお店に行くと、「カード支払いは15ユーロから」と書いてあることがあります。
ちょっと街歩きの途中でコーヒーが飲みたいとき、小さなお店でお土産を買いたいとき、50ユーロ紙幣を出しにくい雰囲気です。
本当はお店側は断ってはいけないのですが、お釣りがないことを理由にして、支払いさせてくれないお店もあったりします。
そんなのはお店の都合ではあるんですけれど、小さなお店だとお釣りの小銭の用意に結構苦労しているようなので、たしかにちょっとかわいそうだなと思うことはあるんですよね。
そんな時、20ユーロ紙幣、10ユーロ紙幣、5ユーロ紙幣があると、ひとりでさっとカフェにも入れるし、小さな額の買い物も引け目を感じなくてすむので便利。
5ユーロ札はもはやコイン感覚で使われてます~
あと、ヨーロッパでは悪気はなくてもお釣りを間違える店員さんも多いので、返ってくるお釣りの金額に神経を尖らせる必要もないのが助かってますね。
わたしはフランスに住んでいるので、身近なフランスのケースをお話しましたが、5ユーロ札、10ユーロ札や20ユーロ札がもっとも頻繁に使われて使いやすいというのは、ユーロ圏の国ならどこでも同じです。
ユーロは高額紙幣に両替するべきか?
ユーロの高額紙幣といえば、100ユーロ札、200ユーロ札、500ユーロ札。
わたしは15年くらいフランスにいますが、100ユーロ紙幣を前に見たことがあったはずですが、いつ見たかという記憶は・・・ないんですよね。
200ユーロ札とか500ユーロ札になると、見た記憶もないです… (・Д・)
そのくらい記憶がないし、そもそも普段。100ユーロ、200ユーロ、500ユーロといった高額紙幣のユーロ札は使われないんですよねー。
本来、例えばフランスだと、ぴったりの支払いであれば、店舗は偽札の疑いがない限り高額紙幣での支払いを受けなくてはいけないことになっています。
どういうことかっていうと、例えば、250ユーロの買い物をしたとしますよね。
そこで支払いに200ユーロ札1枚と、残りは50ユーロ札1枚出して、ぴったりで支払いしようとしたとします。
この場合はフランスのどのお店でも受け入れなくてはいけないことになっているっていうことです。
ところが、高額紙幣を受け取るにあたって、お店は偽札を恐れています。
だから、身分証明書の提示を求められることもあるし、偽札の疑いがあることを理由に実際は結局高額紙幣での支払いを断られた、という話も聞きました。
それに、これからはどんどん高額紙幣は使われない方向に進むのかな、というのがヨーロッパ在住者としての感覚なんです。
というのも、2019年1月、ユーロ圏19カ国のうち17カ国が、500ユーロ札の発行を停止することが決定した、というニュース。
残りの2カ国のドイツとオーストリアでは、今でも現金支払いの習慣が他の国より根強く、今回の決定にも最後まで反対していたということですが、停止まで3ヵ月の猶予期間を設ける措置をとって、最終的には停止するということ。
500ユーロ紙幣で問題になっていたのは、資金を500ユーロ札にすることでかさばらずに持ち運びできることから、犯罪組織に利用されていたことだったのですが、テロ組織に使われないようにするため、今回500ユーロ紙幣は発行廃止の運びとなりました。
こういうヨーロッパの流れを考えても、普段ヨーロッパ市民の使わない100ユーロ、200ユーロ、500ユーロといった高額紙幣への両替はむしろおすすめできないですね…
もちろん500ユーロ札は価値がなくなってしまうということではなく、各国の中央銀行窓口なら小さい紙幣に交換してもらうことができるので、500ユーロ紙幣をもってきた方で使い道がなかった方は窓口に行ったら交換してもらえますよ。
ただ、ユーロになる前のフランスの通貨フランも、2012年には交換できなくなっています。
もし次のヨーロッパ旅行の予定がわからない、という方は、何が起こるかわからない世の中、なるべく滞在中に小さな額の紙幣に両替しておいたほうがいいかなとは思いますね。
まとめ
ヨーロッパに渡航前の両替の時には
- 50ユーロ札数枚以外はできるだけ20ユーロと10ユーロに両替してもらえるように窓口で伝える
- もし何かの手違いで100ユーロ以上の高額紙幣に両替してしまったら、ホテルやレストラン、ブランド品のお買い物などの高額の支払いに使えないか試してみる
- 支払いに使う機会のない高額紙幣はヨーロッパのそれぞれの国の中央銀行の窓口で早めに両替してもらう
ことをおすすめします!
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