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フランスやパリで病院に緊急にかかりたいときは救急車を番号15で呼ぶしかないの?

フランス旅行お役立ち

「もうだめだ、この痛みを緊急でどうにかしないと。」

フランスに来て15年、私にはこういうことが何回もありました。ましてや自分の子供のときはほんとうに頭の中がパニック。

ここで問題なのが、フランスの場合早々簡単に病院の予約が取れない

どんなに今住んでいる場所を熟知していても、当日フランスの病院の予約が取れることは本当にまれです。

歯医者、内科、皮膚科、眼科などの専門医ににいたっては数ヶ月待ちもザラ。

しかしこの痛みはそんな何ヶ月も待っていられる状態じゃない・・・救急車を呼ぶしかないの?しかも英語は何とかなるとしてもフランス語は無理だし!

そこで、在仏15年のあおいそらがパリだけでなくフランスにいるときに救急車を呼ぶときのポイントと、フランスで救急車を呼ぶ以外で病院に緊急にかかる方法を、自分の体験談を織り交ぜながらお話したいと思います。

それぞれの場合の費用の注意点もまとめたので、海外旅行保険に加入していない方も必見です!

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フランスやパリの病院は予約が必要

先ほど「フランスの場合、早々簡単に病院の予約が取れない」とお話しましたが、フランスの場合、病院に行くためには予約が必要です。

それに歯医者、眼科、婦人科などいくつかの専門医を除くと、いきなり専門医にかかるのは難しいですし、そもそも予約が取れるのも数ヶ月まちの状況です。

 

そこで、フランスに住んでいる場合は、あらかじめSécurité Sociale セキュリテソシアルと呼ばれる社会保障に登録してある自分のかかりつけ医に、電話かインターネットで予約を入れます。

しかしこの場合でも当日の診察を受けることができるのはまれだし、フランスでかかりつけ医の登録のない短期滞在者のみなさんには不向きです。

緊急時は年中24時間受付の救急番号15に電話してください、と言われます。

これ、救急車を呼ぶための電話番号でもあります。

 

フランスで救急車は英語で呼べるのか?

この番号は緊急番号なので、どの電話からもフランス国内から15にかけると直接医師が応答してくれます。

聞かれる事項はこの3つ。

  • 私は一体誰なのか? 自分自身が当事者か、それとも当事者のそばにいる人なのか。あらかじめ自分の電話番号を用意しておきましょう。
  • 私はどこにいるのか? 救急車や医者が向かうべき住所を明確に伝える必要があります。
  • なぜ電話したのか? いつどこでだれが何をして今どういう状況なのか、というポイントを簡潔に伝えます。

残念ながら日本語は通じないので、これだけはしっかり英語で伝えられるようにしておきたいです。たとえば、

My name is Taro Tanaka. My wife is sick.  わたしは田中太郎です。妻が具合悪いです。

My hotel is “hotel xxx” in Paris, and the address is 1 rue de yyy 75015.   ホテルはパリのホテルxxxで、アドレスはパリ15区のyyy通り1番地です。

My wife cannot move now because   妻は動けません、なぜなら、

  • she has big pain on waist.   すごい腰痛がある
  • she has a lot of fever.   すごい熱がある
  • she has strong stomach ache.  すごい腹痛がある
  • she coughs a lot with strange noise.   変な音のする咳がかなり出ている

She ate raw fish yesterday.  昨日生魚をたべました。

 

ほかに伝えたい単語があるなら、和英辞典で伝えたい単語を調べておくといいと思いますが、このくらいのレベルの英語で十分です。ゆっくり発音してください。

例えば腰痛というのは英語で(フランス語も同じ)lumbagoとかback acheなど別の単語があるけれど、ともかく伝わればよいです。

フランスに来て2~3年だったころに、高熱にうなされてパニックになって電話したわたしのフランス語もこの程度でした。

 

ただし15番に出てくれた人が全く英語が話せないかもしれません。

そんなときは112にかけましょう

112はヨーロッパ共通の緊急電話番号で、英語で対応してくれますし、必要に応じて、消防署や警察などの別の組織にもつなげてくれます。

 

これであとは救急車が来てくれれば、あとはあまりよく英語やフランス語が話せなくても、救急隊員の方が判断して病院の救急に搬送してくれます。

わたしは原因不明の腹痛で半分意識がなくなったことがあって、そのとき救急に運び込まれたときは一言もフランス語をしゃべることができませんでしたが、病院に着くと、しゃべる必要はほとんどありません

 

わたしがウィルス性の髄膜炎にかかったときは、家に一人こもっていて動けず、鍵をこじ開けなくてはいけない可能性があると判断されたようで、消防隊員がやってきました。

救急隊員の方に目が痛い、頭が痛いと片言のフランス語で泣き喚いていただけでした。

インターネットを調べてみると、緊急性が低いと思われた場合は、医者が往診に来るケースもあるようです。

 

このとき、もし海外旅行保険を持っていて、保険会社指定の診断書フォーマットがあれば、用意しておくと後の払い戻しがスムーズになります。

病院とは別に特に救急車の中での特別処置がない場合でも、7年前のパリ市内の搬送で100€かかりました。もし海外旅行保険を持っていないときは要注意です。

 

かかりつけ医が予約できなければ15へ、というくらいなので、日本よりも救急車に電話をしてもいいケースの範囲は広いと言えば広いのですが、

咳がひどくて気管支炎を起こしかけてるとか、ぎっくり腰になったっぽいとか、熱があって体中が痛くて動けないおなかがものすごい痛い、だけで救急車を呼ぶ番号に電話をかけるのは気が引けるかもしれませんね。

 

フランスやパリの病院に予約なしで緊急でかかりたいなら救急受付がある

そんなわけで、わたしの場合、フランスに来たばかりのころは、家の近くに大きな公立の総合病院があったので、Urgence ユルジョンスと呼ばれる総合病院の救急受付に自分で行くことにしていました。

例えばパパがつないだ手を危ないからと引っ張ったときにまだ2歳ごろだった娘ちゃんの肩が抜けてしまう事故が発生。

そのときは、泣き叫んでいたこともあって、すぐ見てもらうことができました。

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ただフランスの総合病院の救急受付は年がら年中混雑しています。

かかりつけ医にすぐ診てもらえないために、いろんな程度の患者さんが来るし、結局救急車で運ばれる人も同じ救急受付に来る事が多いので、緊急度の高い人から診察されます。

息子くんの腸ねん転のときでさえ、夜中何時間も待合室で待つしかないことがありました。

もし滞在するホテルや施設の近くに大きな病院があって、自力で動けるようだったら、待合室で待つ時間を覚悟で、直接救急受付に駆け込むことは可能です。

このときも、海外旅行保険の診断書フォーマットを持っていきましょう。

 

もし海外旅行保険に加入していないなら、事前に公立の総合病院であることを確かめることは重要です。

1日の診察で済むものであれば、公立の病院なら診察料と治療費は、国の社会保障制度にのっとって決められた金額なので、一般的な診察であれば自己負担であってもそれほどつらくありません。

(平日日中の便秘の診察は50€かかりませんでした。)

 

パリのアメリカンホスピタルは料金が高い

たとえば、パリのアメリカンホスピタルは日本セクションがあって、日本語の通じる先生や看護婦さんがいるし、比較的すぐ診察を受けることもできるので、パリ駐在員さんや出張者の方にもよく使われる病院です。

パリで病院にいく前に海外保険会社に事前に連絡すると、パリのアメリカンホスピタルに行くように直接病院を指定されることもあるようです。

 

ただ、その名のとおり、公立の病院ではないので、もし海外旅行保険に加入していないと、平日日中の診察だけで100€以上、そのほかに治療や検査をすることになると治療費だけで何千ユーロとかかってしまう可能性があります。

それにそもそも滞在地がパリ周辺でなければ、アメリカンホスピタルまで移動するのも一苦労ですね。(実際にはパリの西にあるヌイイ・シュル・セーヌという市にあります。)

Hôpital Américain de Paris アメリカンホスピタル・パリ

63, Bd Victor Hugo 92200 Neuilly-sur-Seine – France

= 日本セクション

月曜日~金曜日 9:00~18:00
電話: +33 (0)1 46 41 25 15
Fax : +33 (0)1 46 41 25 88
メールアドレス: japon@ahparis.org

 

フランスのSOSメディシンを利用する

わたしはフランスに住んでいるため、海外旅行保険は使えないので、アメリカンホスピタルを利用すると、やはり高額の出費となるため、使っていません。

それにフランスの地方にいるときのトラブルでは、パリまで出てこられない可能性も高いです。

 

そもそも高熱とか、腰痛で、もうどうにも動けない

そんなときにフランスで便利な医療制度は、SOSメディサンと呼ばれる制度です。

わたしは現在、ともかくすぐ医者に診てもらいたいときはこの制度を利用しています。

 

電話をして、先ほどの救急車に伝える内容と同じ内容を伝えると、フランスの一般医がホテルや滞在場所まで来てくれます

料金については、かかりつけ医にかかったときよりSOSメディシンの費用は往診代分高くなります

地方ごとにセンターが異なっていて、パリと近郊のセンターは細かな料金表がなかったのですが、例えばリヨンのSOSメディサンのセンターの料金表では、

往診代 診察代
平日8時から20時 35€ 25€
土曜日12時以降と日曜祝日 55€ 51.50€
夜間20時から0時と、6時から8時 71€ 67.50€
夜0時から6時 84.50€ 76.50€

(参考:sos-medecin-lyon.fr

このような料金体制になっており、診察代は全国のSOSメディサン同様、国の社会保障の制度にのっとった料金で、わたしの住んでいるパリ郊外でも大体このくらいのレベルです。

 

急な腰痛や発熱なら、この方法がもっともいいと思います。

SOSメディサンに処方箋を出してもらえれば、フランスの薬を買うことができるし、病院の入院の必要性も判断してくれます。

このときも海外旅行保険を持っている人は、指定の診断書フォーマットを用意しておくようにしましょう。

 

パリとその近郊のセンターの電話番号は

  • SOS Médecins (一般医) 01 47 07 77 77
  • SOS Dentaire (歯医者) 01 43 37 51 00

その他フランスの主要都市のセンターの番号は、下のリンクをクリックして、地図上で一番近い場所をクリックすれば、コンタクト先が検索できます。

 

平日ならそれほど高くないですが、やはり夜間や土日祝日の往診はかなりかかりますね。

とりあえずちょっと薬がほしい、症状を軽くしたい程度ならまだしも、重大な病気にかかってしまったときや大けがをしてしまったときのことを考えると、海外旅行保険にはあらかじめ加入していることが大切だと実感しますね。

 

まとめ

今すぐフランスで病院にかかりたいときは
  • 救急車を呼ぶ番号は15。英語で話したいときは112のほうが通じる。
  • 名前、居場所、現在の状況を簡単な英語でまとめておく。
  • 直接総合病院の救急受付に行けば年中無休で診察が受けられるが、何時間も待たされる可能性がある。
  • 海外旅行保険に入っている場合はアメリカンホスピタル・パリなら日本語も通じるが、もっていない場合は診察費は高額になるので、私立の病院には注意。
  • フランスのSOSメディサンなら動けないときも居場所まで一般医が駆けつけてくれる。往診代はかかるが、診察料金は国の制度にのっとっていて安心。
  • いずれの診察を受けるときも、できれば事前に海外旅行保険のセンターにあらかじめ電話して指示を仰ぎ、電話できないときも指定の診断書フォーマットを用意するのが望ましい。

 

ということで、フランスで救急車を呼ぶときのポイント、病院に緊急でかかりたいときの方法と料金についてまとめました。

海外旅行保険には、通訳サービスなどもあるので、やはりいざというときに備えて、きちんと加入しておきたいですね。

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