こんにちは〜あおいそらです。
日本のベーカリーやパティスリーでも、最近話題になっているパイ生地のケーキ、ガレットデロワ。
もともとキリスト教にちなんだ古くからのフランスの習わしで食べられているお菓子だということをすでにご存知のかたも多いかもしれませんね〜
2014年に1000人以上のフランス人成人を対象に行われたとあるアンケートでは、なんと97%のフランス人がガレットデロワを1月に食べるという調査結果が出たということなんです!
ただ、一緒に飲まれることの多いりんご酒であるシードルの消費傾向とともにまとめられた同年の別アンケートでは、実際には約85%のフランス人がガレット・デ・ロワを食べているという調査結果となっていますので、こちらの数字のほうが現実的かもしれません。
ところで、フランスでこのガレットデロワが食べられる日は毎年ちがうのはご存知ですか?
そこでフランスではガレット・デ・ロワはいつ食べるのか、2019年、2020年、2021年のガレット・デ・ロワを食べる日はいつか、フランス人はどんなふうに食べているのか、フランス在住のあおいそらがまとめます。
日本でも、フランスの習わしでお祝いしてみたい方のご参考になれば幸いです〜
2019年、2020年、2021年、ガレットデロワの日はいつ?フランス人はいつ食べるの?
本来、ガレットデロワはキリスト教のお祝いエピファニーの日1月6日にいただきます。
星の光に導かれて、3人の賢者がイエス様の生まれた厩舎に到着してイエス様に贈り物をした日とされていますね。
1月6日は子どもたちの冬休み期間中ではあるのですが、フランスを含むヨーロッパの国々では1月の3が日のうち元旦以外は祝日ではなく、この1月6日も祝日ではないため、1月1日よりあとの1月初めての日曜日に祝われるのが一般的となっています。
ですから、今年以降、フランスでガレットデロワを食べる日は、
2019年1月6日(日)
2020年1月5日(日)
2021年1月3日(日)
といった具合で、もし1月初めての日曜日が1月1日になった場合は1月8日になるケース以外は、毎年1月第1日曜日に食べるのが一般的です。
とはいえ、冒頭でご紹介したアンケートでは、1年にガレットを1回しか食べないのは食べると答えた人のうち47%で、37%は数回食べているそうですよ。
家族だけでなく、友人や職場でみんなで食べることもあるし、単純にガレットデロワが美味しくて好きだから何回か食べるという人もいるということです。
こんなこともあって、フランスでは、お店によっては12月の頭から、1月下旬ぐらいまでガレットデロワが売られているので、年末年始(どちらかというと1月になってから)週末や夜に友人と集まるときに「今回は、ガレットデロワを食べようか」という話になることはしょっちゅうだし、
実際、わたしの会社でもみんなで会議室に集まって、ガレットデロワを食べる年もあります。
ガレットデロワの食べ方がまた盛り上がるから楽しいんですよね。宗教にまつわる行事とはいえ、まるでみんなでおみくじを引くような、そんなノリです。20%の人は、当たると今年幸運があるとされるフェーブが自分に当たることは目的ではない、と答えています。
・・・ん?
逆を言えば、80%のフランス人は「フェーブが自分に当たりますように!」とガチ勝負なわけですね。ガレットデロワは子供がいないフランス人家庭でも82%は食べるということなので・・・フランス人はおとなになっても真剣勝負だと言えそうです。
それでは次に、その「フランス人が毎年盛り上がるガレットデロワの食べ方」をお伝えしますね。
フランス人のガレットデロワの伝統的な食べ方は?
人数が多い会合の席では、食べられる大きさにざくざく切って、早いもの順でガレットを選んで食べることも多いですが、
今でも、家庭で食べるときには伝統的な食べ方をすることがフランスでは多いですね。
中世のころは人数分より1つおおく切り分けて、残った一つは最初に家に訪れた貧しい人に「神の一部」として与えられたそうですが、
現在はケーキはその場にいる人数分に切り分けます。そのとき、参加者の中で一番年下の人がテーブルの下に潜り込みます。
このとき、当然うっかりフェーブにナイフが当たることがありますが、そのへんは黙ってちょっと隠せば大丈夫。
なぜならケーキを切った人は、そのテーブルの下にいる年下の人の指示にしたがって、それぞれのケーキを配らなくてはいけないことになっているので、フェーブが当たるかどうかは全く平等だからです。
このあたりがまず盛り上がる第一ポイントですね。だれにもフェーブの在り処がわからないほうがみんなの盛り上がり度は高まります。
優しいおとなは子供になるべくフェーブが行くように仕向けるようですが、我が家は真剣勝負なので、そんな手加減はありません笑
次にみんなで切り分けたケーキをいただきます。直にだれのケーキの中にフェーブが入っているのかがわかるので、フェーブが入っていたら、みんなにフェーブがあたったことを知らせます。
大体売られているガレットには、金色か銀色の紙の王冠も一緒に添えられてくるので、フェーブがあたった人は王様、もしくは女王として、その王冠を被ります。
ここで複数いる子どもの一人に当たると大騒ぎなわけですが・・・みんなで写真を撮ったりしてまた盛り上がります。
そのあと、王様は女王様を、女王様は王様を指名することになっていますが、指名されたからと言ってなにかもらえるということもないので、ここは飛ばされることもあるし、同僚間であれば一緒に写真を撮る、程度のことはあります。
たとえその場でもっとも年下の人が王、もしくは女王となったとしても、その日はその人が権力者として、その人の言うことをみんなが聞かなくてはいけない、と決めて、その日はその人の言うとおりにすることでまた盛り上がるケースがあります。
こんなふうにみんなで盛り上がって楽しめるのが、ガレットデロワのいいところですね〜
まとめ
ガレットデロワがエピファニーの日にお祝いとして食べられるようになったのは13世紀になって教会が決めてからのことであって、それまではそのフェーブにあたった人がその組織の長として選ばれるといった、選挙の役割を果たしている時代もあったそう。
今、フランスでは1月6日のエピファニーの日に近い、1月第一日曜日(1日が日曜日の日は8日)に食べる人が多いものの、
エピファニーにこだわらず、年に数回食べて、友達や同僚と楽しんでいるフランス人も3分の1いるということ。
またケーキは人数分に切られて、テーブルの下にいる最年少の人がどの部分をだれが食べるかを決めることで、平等に配られ、フェーブがあたった人が王、もしくは女王として王冠を被ります。
そのあとその王、もしくは女王のいうことをその日はきく、とみんなで決めて盛り上がるケースも。
たまたまかもしれませんが、年始である1月に、こんな伝統的なガレットデロワの食べ方で、家族や仲間との楽しい雰囲気づくりを図れるのは楽しいことだな、と思っています。
我が家の2019年のガレットデロワは明日1月6日。
我が家のガレットデロワがどんな様子だったか、みなさんにご紹介できればいいなと思っています。
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