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フランスのハロウィンだって仮装大好き!暴徒化まで…最新事情。

フランス生活お役立ち

ハロウィンの当日10月31日の夜、フランスのパリ郊外や地方で、仮装をした若者たちが暴徒化したニュースが話題になりました。

このニュースをきいて、そもそもフランスでハロウィンを楽しむ文化があるんだ〜と驚かれた方も多いのではないでしょうか。

確かに10年ほど前までは、フランスにはハロウィンの文化はあまりないと言われていましたし、実際仮装している人たちを見かけることはほとんどなかったのですが、最近は事情が変わってきたのを感じます。

今日は現地フランスから、フランスのハロウィンの最新事情と暴徒化の背景についてお伝えしたいと思います。

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フランスのハロウィーン、仮装も大好き

我が家はアパート住まいだし、子供の学校も遠いので、近所に知り合いの子供がいないこともあって、ハロウィンの日に仮装した子供が回ってくることは今年はなかったですが、一軒家に住んでいると、大袋のお菓子を買って用意している方が多いです。

また、子供たちが幼稚園のころから毎年、秋休み前にハロウィンパーティの日が決められて、「この日は衣装を着てくるように」と学校からイベント連絡も入るくらい。

イベント用の仮装グッズのショップも確実に増えてきていて、小学5年のうちの息子くんはハロウィンの仮装が好きではないのですが、それでも海賊のハロウィン用「マイ衣装」を持っています。そろそろ小さくなっちゃったなあ。

さらに子どもたちは仮装専用の顔料でかなりはっきりとしたホラーメイクもします。このメイクはハロウィンに限らず、イベントのときにメイクコーナーができると子供に大人気なんです。

魔女に変身したフランス人の女の子たちのかわいらしいこと♪

ところが、うちの息子くんは今年も友達にハロウィンパーティに呼ばれたのに、メイクも何もしない、俺は好きじゃないと言い張るので、魔女の帽子くらい持っていきなさいと言って持たせたくらい。

こんな感じで、フランスでも子どもたちを中心にハロウィンパーティの数は増えているし、パーティに呼ばれたら、仮装をするのは普通になってきてますね。

 

フランスのハロウィン翌日は祝日!お墓参りはその次の2日で好都合

フランスには1990年代に少しずつ入ってきたと言われているハロウィンの習慣。

フランスでハロウィンが子供に浸透しやすかった理由について、フランスの祭事の歴史の専門家の方が、「学校のマルチナショナル教育の影響によるもの」と分析しています。

また「最近では学校ではイスラム教徒のお子さんも増えているし、宗教的なイベントの話題は難しくなってきているので、直接なにかの宗教とは関係しないハロウィンのイベントは取り入れやすかった」とも言っています。

実際、ハロウィンのある10月31日は必ず、「La Toussaint トゥッサン(諸聖人の日)のお休み」と呼ばれる、学校の秋休み中なので、普段は低学年から授業が16時位まであって忙しい子どもたちも、この日は毎年夜にかけて比較的のんびりと過ごせるというのもあるでしょう。

商売にのせられているのではないかとか、アメリカすぎる文化とか言われて子供たちほどにはなかなか大人には浸透しきれていないフランスのハロウィンですが、

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フランスのハロウィンの翌日11月1日はトゥッサン、諸聖人の日で祝日で、家族で行う伝統的な墓参りは死者の日である11月2日にすることが多いので、10月31日の夜は、子供たちのパーティの準備をしてあげる余裕もいつもよりあるし、大人にとってものんびりしやすい日でもあります。

 

フランスのハロウィンが暴徒化した背景にはフランス郊外の問題も

ネットニュースが取り上げたことがあって、フランスのパリ郊外やリヨンなどの地方都市で、仮装をした若者たちがハロウィンの夜に暴徒化したニュースが日本で話題になりましたね。

確かに、ハロウィンの夜、パリ南部の郊外で店に被害を与えようとしていた13歳の少女が、警察に向かって酸を投げたことはニュースになりましたが、今年は去年より多い15000人の警察官を配備して警戒にあたっていたため、100人以上を逮捕し、多くの事件を未然に防ぐことができたので、去年よりはハロウィンの夜の暴動被害は小さかったし、年末は今回の5倍の逮捕者があったと報じていました。

もちろんハロウィンはイベントの一つであるべきで、このような事態は冗談にはならないとフランスのカスタネル内務大臣はコメントしていましたが、フランス現地では特別、今年のハロウィンの暴動の報道が大きかったわけではなかったです。

 

そもそもフランスでは逮捕者が出るほどの暴動は度々起こり、なんでもきっかけになりえます。

2017年の年末から今年の元旦にかけてフランスでは、1000台以上の車が燃やされ、500人以上の逮捕者が出ました。

サッカーのワールドカップでフランスが優勝した日には、空港から乗ったタクシーの運転手さんは準優勝が決まった数日前の夜、同僚の車のボンネットの上に飛び乗ってきた人がいて、車が壊されたから、「俺は絶対今晩は人が集まるところには行かない」と言っていたくらい。

 

暴動、特に若者の暴動はパリ市内よりは郊外地域や地方で起こりやすいものです。

こちらで生活していると、若者たちが今の社会に不満を抱えていることとつながりがあるのではないかという感覚はなんとなくあるものですが、

実際あらためて、郊外の若者の暴力についてのフランスの文献を調べてみたところ、

フランスの新聞Figaro フィガロ誌は郊外の若者の暴動の原因についての去年の記事で、「2008年のリーマン・ショック以降、フランスの郊外問題は更に悪化していて、失業率も高いにもかかわらず、公共政策が貧弱で、10年以上経過した今も、雇用問題、学校問題、住居問題などの生活条件、移民や地域に対する差別など、何も改善していないことが背景にある」と記述しています。

もう少し古い文献になりますが、アンジェリーナ・ペラルバ氏の「郊外の暴力と若者の政治化」の中には、「近代社会の空洞化により、特に郊外においては、子どもたちはますます社会に対して反抗する手段として表現力の強い暴力に出ており、以前は大人がコントロールしきれた若者たちの成長の一環として規制できなくなっている」との記載もありました。

ハロウィンだけでなく、フランスの暴徒化の原因はお祭りのどんちゃん騒ぎの末とは違うものがあります。

 

さいごに

さきほど紹介したフランスの祭事の歴史の専門家によると、「ハロウィンがパリよりも地方で習慣付いているのは、パリの子どもたちは休暇中でバカンスに出ていることが多いから」とのことでした。

秋休み真っ只中のフランスのハロウィンなら、バカンスに行かれない子どもたちも、友だちとバカンス中にたのしい思い出を作ることができる素敵なチャンス。

フランスでハロウィンを楽しみたい人みんなが安心して楽しめる日になることを願っています。

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