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IP電話が固定電話として一般化しつつあるフランス、固定電話回線の廃止へ

フランス生活お役立ち

2016年にはすでに話が上がり、8月の終わりには正式発表になっていたことですが、11月15日をもって、フランスの電話会社Orange(オランジュ)は固定電話回線の新規契約を終了するとのニュース。

この「固定電話回線」とは、インターネットに繋げることのできないRTCと呼ばれる電話交換網のこと。

固定電話が使えなくなるのではなく、固定電話はすべてIP電話になる、ということを意味しています。

そこで、フランスで固定電話回線が廃止になるにあたっての懸念点についてお話します。

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IP電話が固定電話として普通になってきている

フランスでは今、インターネット契約のIP電話回線を固定電話に利用している家庭がほとんど。

具体的には、引越し時などにインターネットサービスプロバイダーにインターネットサービスを申し込むと、インターネット回線をつなぐためのボックスが家庭に付与される形で送られてきて、

インターネットを繋ぐときのパスワードなどと一緒に、IP電話の番号をもらうことができます。

 

我が家もfreeテレコムという通信事業者のサービスを利用中で、固定電話には、freeにもらった電話番号しか持っていません。

固定電話の使用料は毎月のインターネットサービス使用料に含まれていて、日本への通話もかけ放題で無料。

最近は家族全員携帯電話を持っているし、電話がかかってくることについては固定電話がさほど重要ではないので、サービスとしては申し分ありません。

(かかってくるのは売り込みばかりだし。)

 

それに、もともとオランジュ(旧フランス・テレコム)の固定回線の電話番号を持っていた人は、その番号をこのIP電話回線につなげることもできるので、

交換電話網の番号をつかっているように見えても、実際はIP電話回線を使って通話していることが多いのです。

 

2016年の終わりにはすでに、フランス全国の契約者数が2,700万を超えていたIP電話システム(すべてのプロバイダーの合計契約者数)。

事業者側での管理や工事がIPネットワークよりもかなり煩雑な交換電話網サービスの廃止に向けた動きは、普通といえば普通なのかもしれません。

 

固定電話の廃止はいつになる?

今回はRTCを利用した新規の固定電話回線の契約の終了のみ。サービス自体は2023年から順次廃止していくとのこと。

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当面は、新規契約者や、既契約者であっても引っ越しのときには、もうこの交換電話網の新たな契約はできなくなるだけで、サービスは継続利用できます。

このニュースを聞いたときは、ほとんどの家庭ではIP電話回線を使っているし、大きなトラブルにはならないと思ったのですが、やはり問題点はあるようです。

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IP電話システムへの全国全移行に向けた3段階

  • 2018年末 : フランス本土でのアナログ回線契約の新規契約販売の終了
  • 2019年末 : フランス本土での法人・企業契約のマルチライン新規契約販売の終了
  • 2023年末以降 : 年ごと地域ごとに交換電話網からIP電話回線に段階的に移行

(引用:ORANGEのホームページ要訳)

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フランスで固定電話がIP電話だけになると困るのは誰?

問題点は、2040万のオランジュの現ユーザーのうち、依然940万ユーザーはこのRTCの回線を保有して使用中とのこと。

特にフランス企業の70%は、少なくても回線の一部にこのRTC回線網を使用しているので、2023年以降、新たな設備投資を強いられることになるという問題があります。

 

現在では、携帯電話でインターネットサービスを経由した無料電話サービスも発達して使用するようになったこともあるので状況は変わったかもしれませんが、

以前はIP電話を使って日曜日に日本に電話をかけようとすると、回線が混雑するからか、つながらなかったり、途中で回線が切れたりすることがよくありました。

今でも、会社の契約しているIP電話回線を使って仕事で日本に電話をかけると、音質が悪く相手の声が聞きにくかったり、やはり回線が切れてしまうことがあります。

大量に回線を利用したときの回線負荷も含め、2023年までには各サービスプロバイダーに品質問題を確実に解決してもらえることを望んでいます。

 

フランスの電話といえば、フランス映画で女優が恋人に黒い電話で電話をかけるシーンを思い出すし、わたしの使ったフランス語教材では、その時もうすでにかなり古い教材だったんだとは思いますが、電話を誰かにかけるとまず電話交換手が電話に出てくる設定になっていて驚いたことを覚えています。

そんなことを考えると、フランスの交換電話網サービスの終了は、一つの時代の終わりという感じがして寂しい気もしますが、

今後のIP電話の技術向上を願いながら、技術の進歩を前向きに受け入れていきたいなと思っています。

(参考: フランス通信事業者Orangeホームページ、8月27日付L’UsineNouvelle 記事)

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