2019年4月22日から、日本に持ち込みできない食品のお土産が税関で見つかった場合には、処罰がぐんと厳しくなるというニュース。
空港の税関検査のところでも、動物検疫でも問題にされたことがなかったので、日本からのお客様にも「フランスのバターは持ち込み可能ですよ。」と堂々とご案内してきました。
しかし厳密には、バターやチーズなどの乳製品も検疫対象。
そこで、バターの海外からの持ち込みや、今回厳しくなった空港の税関検査の注意点をお知らせします。
フランスのバターは日本に持ち込みできるのか?
フランス土産で本当に喜ばれるものに毎回頭を悩ませているわたしですが、バターは家族にも友達にも本当に喜んでもらえるので、日本への一時帰国では毎回、フランスのバターを大量に日本に持ち込んできました。
日本にいる妹のお気に入りのバターはこのペイザンブルトンっていうスーパーで売っているバター。
わがやでもいつも使っていたから、フランス土産にしたものです。
(credit; paysanbreton.com)
赤いパッケージは有塩タイプで、味がはっきりわかりやすいこともあって、日本で有名なエシレのバターより、うちの妹のお気に入りのバターです。
フランスのスーパーならたいていどこででも売っているし、エシレのバターよりかなり安いので、一番大きい500gタイプを10個くらい一気に持ち帰っています。
税関検査のところでも、動物検疫でも問題にされたことがないし、乳製品は空港で問題ないと思い込んでいたので、日本からのお客様にも「フランスのバターは持ち込み可能ですよ。」と堂々とご案内していました。
ところが2019年4月22日から規則が変わって日本に持ち込みできない食品が税関で見つかった場合には、処罰がぐんと厳しくなるというニュースが日本大使館のメーリングリストで流れてきました。
そこで気楽な気持ちで確認してみたところ、厳密にはバターやチーズなどの乳製品も検疫対象なんですね。
え、もしかして、わたしはまちがったことをみんなにご案内していた?
ということで、今回事実を詳しく調べてみることにしました。
バターを海外から持ち帰りして問題ないとき、問題なとき、チーズも同じ
2017年11月1日から、乳製品のうち唯一動物検疫が必要だった「生乳(ミルク)」に、新たに動物検疫の対象に加えられた乳製品があります。
新たに動物検疫の対象となった乳製品は、バターだけでなく、プロセスチーズ以外のチーズも含まれています。
農林水産省によると
我が国畜産物の輸出促進に向け、国際基準や諸外国と同等の水準の検疫体制を構築するため
とのことですが、日本からの乳製品の輸出の検査について、確かに輸出先の制度に対してのみ証明書を出せばいいことになったので、日本だけに必要な書類を出さなくてよくなった意味はわかるんですけれど、輸入される乳製品に新たに検疫が必要になったのはなぜかわかりませんが・・・
日本のバターの値段が高くなって、バターを不正に海外から持ち帰りする人が増えたから?と思ったのですが、「次の条件に当てはまれば検疫対象にならない」乳製品のリストを見てほっと一安心しました!
- 「別送品」含む携帯品として輸出入されるもの
(しかし、業務用として使用するもの、10kgを超えるもの、飼料用のものは、検査証明書を取得したほうがよい。) - 容器に入れたあと加熱滅菌された、缶詰や瓶詰、レトルト加工品(容器に詰めた後、加熱滅菌されていることが条件。)
- 日本の乳製品に関する決まりをまとめた「乳等省令」のきまりに従って「常温保存可能品」とされているもの
- 業務用目的でないもので、10kg以下のもの(飼料用のもの以外)
缶詰に入った常温のバターはフランスで見ることもありますが、わたしたちが買うバターやチーズは冷蔵品がほとんどですよね。
でも、携帯品というのは、観光客や旅行客、飛行機や船の乗組員の人たちが日本に入国するときに、「携帯」して輸入する物のことをさします。
つまり海外からのバターの持ち込みはお土産なら大丈夫だということになります。
それにわたしのようにペイザンブルトンを10個をお土産に持ち込んだとしても5kgですから・・・10kg以上持ち込む方はあまりいないような気もしますので、税関で見つかったとして問題になることはないということになります。
=4月23日追記=
動物検疫所の方にお聞きしたところ、「バターなどの乳製品は、携帯品として10kg以下なら輸入することができる」とのことなので、チーズなどのほかの乳製品とあわせて10kg以上は持ち込まないようにしましょう!
また税関を通る前に、うっかり封を開けて食べてしまった、という乳製品については、上の除外品の条件を満たしていたとしても、持ち込めない可能性が高いので、それまでは我慢しましょう。
しばらくは気をつけたほうがいいと思うのは、飼料用の乳製品ですね。
例えば、ご自宅のペットのお土産にクッキーなどのペットのおやつを購入されたとして、その中に乳製品が入っていても、基本的には50%以上乳製品が入っていることはないし、常温保存品なので検疫対象ではありません。
ただ、原材料のわからないペットフードは空港の税関で止められる可能性は高いです。
もともとが日本の家畜への感染症が問題となって日本に持ち込みできる動物由来の食品の持ち込みが厳しくなったことなので、仕方がないことですね・・・
原材料のわからないペットフードはお土産だとしても日本に持ち込まないほうがいいでしょう。
これまでご説明した内容含めて、日本への持ち込みに検疫証明が必要な乳製品について、詳しくは農林水産省のホームページに記載があるので、参考にされてくださいね。
空港の税関検査注意点、新しく何が変わるの?
これまで、動物由来の製品の海外から日本への持ち込みについては、旅行客や海外旅行のお土産であれば、悪意もないため、大目に見られていたという現実があります。
ところが、海外旅行者の出入国が増え、お土産も含めて違法に日本に持ち込みされた動物由来の製品から、アフリカ豚コレラのウィルスが見つかるなどのケースがでてきました。
そこで、国内の家畜が病気にかかる可能性を避けるため、2019年4月22日から、個人で食べるお土産も含めて、日本に違法に持込された動物由来品が見つかった場合には、家畜伝染病予防法で決められている通り、100万円以下の罰金、もしくは3年以下の懲役の処罰の対象にすることに決めました。
先ほど見たとおり、乳製品には除外品がありましたが、ハム、ソーセージ、ベーコン、ジャーキーなどの動物由来品は、お土産にするために検査証明書を取得するのは現実難しいので、証明書がついたものを空港で買う以外は、日本へ持ち込むことはできないということになります。
気をつけましょう!
・・・わたしも日本にお土産を準備するときは気をつけます。
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